発端はマイクロンと台湾の同業、聯華電子(UMC)との間での知的財産権をめぐる係争だ。
マイクロンは昨年12月、米北カリフォルニアの連邦裁判所に、UMCと中国半導体メーカーの福建晋華集成電路公司が同社の企業秘密を盗んだとして、民事訴訟を起こした。
UMCは今年1月、特許侵害があったとして、マイクロンの中国子会社を相手取って、福州中級人民法院(地裁)に訴訟を起こした。
UMC側は3日、同地裁はマイクロンに対して26項目の製品の国内販売を差し止める仮の命令を出した、と発表した。
米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)によると、マイクロンが発表した2017年度決算報告では、中国市場での売上は同社の業績の50%以上に貢献した。
ロイター通信によると、マイクロンは5日、子会社2社が中国で製品販売差し止めの仮処分を受けたことを確認したうえで、第4・四半期(6─8月)の売上高への影響は1%程度にとどまるとの見通しを示した。上訴する構えも見せた。
米国と中国双方は6日に、互いに340億ドル規模相当の製品に対して追加関税措置を発動する。米トランプ政権は、中国企業による知財権侵害が深刻だとして、中国のハイテク産業の製品を主な制裁対象にしている。
中国は世界最大の半導体市場だ。しかし、技術の遅れで中国企業は、世界半導体メーカートップ10社にランクインしていない。中国企業がスマートフォンやスーパーコンピューター製造に必要な半導体チップを十分に供給できないため、4月米政府の制裁で米企業から部品を入手できなくった通信大手の中興通訊(ZTE)が経営難に陥った。
一方、中国当局が5月末、独占禁止法違反の疑いがあるとして、マイクロン、韓国のサムスン電子とSKハイニックスの半導体大手3社の北京・上海などの事務所を調査した。中国メディアによると、違反行為が確認された場合、3社は最大約80億ドル(約8800億円)の制裁金を課される。
中国の地裁によるマイクロン製品の販売禁止令で、ハイテク技術をめぐる米中間の応酬がさらに激化するとみられる。
※画像出典元:https://www.micron.com/home
(翻訳編集:大紀元・張哲)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2018/07/34549.html