ベトナムの靴製造大手TBSが靴底市場に参入 国内原材料の調達へ意欲
2018年5月11日、TBSグループは、ビンズン省のSong Than第3工業団地に、「TBS靴底テクノロジーセンター」と、靴底生産に向けた研究・開発を行うR&Dセンターを正式に開設し、FDI企業によって大部分が占められている靴底の製造市場の成長の可能性を見出していくことを目指した。
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これらのセンターは、一般的な靴底製造のための複合材料の研究や供給(原材料の混合から、加工底またはEVAファイロンに使われる半製品の製造まで)だけでなく、TBSの靴製造部門において、あらゆるタイプの靴底の研究、開発、供給に注力する予定である。
履物業界の原料現地調達問題への対応
現時点でベトナムは、世界の履物製造ではトップ3に入り、履物の輸出は世界第2位に位置づけられているが、国内生産用の原材料や付属資材の現地調達率がそれほど高くないため、ベトナム製商品の付加価値は依然として低い。
商工省によると、履物産業の現地調達率は向上しているものの、たった50%に過ぎず、靴底を含め、多くの材料が高度な技術を要することもいまだ問題である。
ファッション業界の技術の習得を目指すTBSグループのNguyen Duc Thuan会長は、「世界がこれを実現できるのなら、我々にも必ずできるだろう。」と、その決意を示した。靴底技術の開発に焦点を当てることは、TBSにとって国内企業の国内原材料へのイニシアチブに貢献する履物産業における技術を十分に習得するための大きな戦略である。
ベトナム皮革・履物・バッグ協会の統計によると、1組の靴底は、その技術タイプにもよるが、スポーツシューズの15~25%の価値を占めている。靴底技術をもつことで靴産業は付加価値を得られる。
2002年、TBSは靴底の工場を建設し、ゴム製の靴底である、EVAファイロンを製造する技術を習得した。 既存の2つの工場の拡張により、TBSは、世界のニーズを満たし、国内外の履物産業、特にスポーツシューズの靴底の発展に追いつくために、IPテクノロジー(モールドに直接材料を注入する技術であるインジェクションファイロン)と新しい靴底用の複合材料を使用することで、スポーツシューズの新しいラインの研究、開発、供給に注力するだろう。
技術開発のためのTBSの靴底テクノロジーと課題
113,890平方メートルの総面積を誇り、高度な設備と技術を備えているTBS靴底テクノロジーセンターは、EVAファイロン、ライナー、カップインソール、IP製品を含む3200万の完成品や、TBSグループの売上高の約20%を占める混合材料やその他約2000万個の材料を供給することができる。
高度な技術と設備を装備するだけでは、ここまでのことはできない。そのため、TBSグループは現在、靴底の豊富な製造技術の知識を持つ技術者チームを育成している。そのような熟練した人員は現在少なく、ベトナムで抱える年間約7億足のスポーツシューズの需要と見合っていないのだ。合弁企業を含むほとんどのFDI工場が、技術を地元の工場に移転しようとしない非常に特殊な業界である。
このチームは実践的な経験から開発され、TBSグループによって多くの国際プログラムに参加し訓練するために派遣される。2002年の最初のTBS靴底工場の設立以来、Pou Chen、Taekwang、Hwasungなどの半世紀以上の経験を持つ大企業に比べて16年の経験は比較的短いが、継続的な努力を惜しまず、特に新技術の迅速に導入するがゆえに、TBS靴底テクノロジーセンターは投資資金を調達することに成功している。
しかし、これは利点ばかりではない。製造コストを削減する第4次産業革命の急速な技術革新、輸入市場からの需要増加、そして特に長期的なビジョンない工場を容易に直撃しうる、技術投資を伴う環境保護基準など、製品のライフサイクルを短縮する技術の急速な変化には、多くの短期的かつ長期的な課題が残っている。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3442.html
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