ベトナム電子商取引協会(VECOM)が公表するベトナムのeビジネス指数において、2017年ハノイ市は75.8ポイントで、ホーチミン市の78.6ポイントに続き2位であった。首都圏におけるeコマース市場の売上は36兆ベトナムドン(15億7000万米ドル)で、商品・サービス小売総売上高の7%を占めた。また2018年5月時点で、ハノイ市において個人や法人が登録するeコマースのウェブサイトまたはアプリケーションは7726もあった。
多くの潜在的リスク
eコマースが活況を呈する一方で、低レベルのインターネット環境、小規模で素人レベルのビジネス、現金志向の顧客習慣など、依然として多くのリスクが存在している。
ハノイ市商工局のNguyen Thanh Hai副局長は、管理当局ではオンラインにおける偽造品取引の防止に取り組んでいると述べた。さらに脱税の問題も、特に顧客が領収書を求めない個人取引の場合に頭痛の種となっていると指摘した。多くのオンライン企業はライセンスなしで営業しており、顧客をだましたり脱税をしたりするのが容易な状況にある、とHai副局長は続けた。
また顧客には、複雑な住所表示のために商品が届かないという大きなリスクがある。このことは、多くの小売業者が郵便サービスを通じてベトナムに商品を出荷することを拒む理由となっている。
eコマースの売上高は2025年までに75億米ドルに達すると見込まれるが、この数字は小売り総売上高のわずか5%に過ぎない。
包括的な対応
ハノイ市におけるeコマース発展のために、ハノイ市人民委員会のNguyen Doan Toan副会長は、現代的なビジネスモデル創出のためのクラウド技術、人工知能、拡張現実(AR)やモノのインターネット(IoT)の展開を支援するプラン84/KH-UBNDに署名した。
Hai副局長は、彼の部門では透明で平等なビジネス環境を作り出すために、オンラインでの税務申告、支払いやe-payなど、オンライン公共サービスにおいてeコマースをサポートするための多くのソリューションを適用してきたと述べた。また製品の原産地を追跡し、取引の詐欺を防止するためのQRアプリケーションの利用を奨励している。
また市場監督局は、eコマース企業を注意深く監視し、適時に違反を取り締まるよう命じられている。
高度なeコマース取引モデルが導入される一方で、電子商取引のポリシーおよび規制に関する普及活動にも十分な注意を払う必要性が指摘されている。また市では、安全な食品のオンライン販売を促進するウェブサイトやアプリケーションの構築も奨励している。
さらに、観光、輸送、ヘルスケア、メディアのオンラインサービスの開発・普及とともに、保管倉庫から配送サービスまでの地元の物流ネットワークの改善に投資する予定としている。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3414.html