この問題は会計検査院が、観光庁と同長官の親族が経営する会社との間に契約書がないことを指摘していて、長官の身内ということで何らかの便宜が図られたのではないかと見られている。
この指摘に対して疑惑の会社は『全て合法的に契約、取り引きを行った』とし、疑惑を否定した。
しかし、この批判の高まりを受けて6000万ペソを返還する意向を表明したが、返金すれば済む問題ではないと更に批判を浴びている。
この問題に対して公務員の汚職、犯罪を取り締まる『行政監察院』が捜査に乗り出し、汚職の疑いで起訴される可能性も浮かび上がっていて、ドゥテルテ政権は影響を最小限にするために辞任の道を選ばせた模様。
同政権下での現職閣僚、閣僚級の辞任は5人目で、司法、内務自治、情報通信、今回の観光庁の各長官と、副大統領が兼務した住宅都市開発調整評議会議長になる。
辞任した観光庁長官は、ドゥテルテの地元ダヴァオ市で旅行業界団体の長を務め、ドゥテルテ当選後に論功として長官の座を得た。
同じように『違法薬物関与者抹殺』政策を進めるために、国家警察長官にダヴァオ警察署長であった人物を任命し、これは友達、身内、あるいはイエス・マンを起用するアメリカや日本と同じで、弊害が指摘されている。
観光庁に関してはフィリピンを代表する『ボラカイ島』の最長6ヶ月間の4月26日から閉鎖が始まり、多くの課題を残しているが、後任は未定。
長官辞任となった観光庁だが、2018年度第1四半期(1月~3月)の間にフィリピンを訪れた外国人観光客は205万人弱を記録したと発表。これは前年比15%弱の伸びで業界は好調を維持した。
なお、国別では韓国が1位の座を守ったが、中国からの訪問者が50%増と異常な伸びを示していて、1位の座を占めるのは時間の問題と見られている。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&command=body&no=446&