「スーパー代表団」と呼ばれた一行は3日、北京を訪れ、貿易不均衡の是正や知財侵害をめぐって中国当局と交渉を行う予定。中国側はすでに、一定の譲歩を見せている。
米紙・ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は4月末の報道で、対中超強硬派のナバロ国家通商会議(NTC)委員長も協議に臨むとした。また同紙は1日、米政府幹部の話を引用し、代表団は中国当局に対して断固とした姿勢で迫るという。
ロス商務長官は1日、米メディアCNBCテレビの取材に対して、米中通商協議で合意達成の可能性について「会議室に入らないと分からない」としながらも、「望みがなければ、わざわざ中国まで行かない」と話した。
長官は、協議で米中通商問題を打開できない場合、「通商拡大法232条と通商法301条に基づき、鉄鋼・アルミ製品や知財権に関わる製品に関税を課し続けていく」とした。
一方、中国側からは、王岐山・国家副主席と劉鶴・国務院副首相が協議に出席するとみられる。
WSJは、中国当局は輸入車関税の引き下げ、米国製品の輸入拡大、外国映画などの輸入規制緩和、米中自由貿易協定(FTA)など米側の要求に一部応じると推測した報道をした。
米メディアは、中国の譲歩は「世界貿易機構(WTO)に加盟した際、すでに約束したことだ」「中国は本当に実行するのかを観察する必要がある」と強調した。
中国では、米政府代表団が到着する前の4月29日、市場開放をめぐって動きがあった。
証券監督管理委員会は、外資企業の国内証券会社の株式保有を認める『外商投資証券公司管理方法』を公表した。これによると、当局は、外資企業が中国証券会社の株式50%以上の保有を許可する。
しかし、これも昨年4月、習近平国家主席が訪米した際に言及した「100日計画」に含まれていた。
トランプ米大統領が昨年11月訪中後、当局は中国金融業における外資企業の株式保有規制を緩和すると表明した。そして、1月のダボス会議に出席した劉鶴・副首相、4月のボーアオ・アジア・フォーラムで演説を行った習近平国家主席もこの立場を繰り返していた。
また、中国がWTOに加盟した翌年の2002年、外資企業による株式保有の割合について、当局は「3分の1」にとどまった。10年後の2012年にこの割合をようやく「49%まで」とした。4月末の50%以上を認可するまで、実に16年かかった。
米メディアは、トランプ政権の力強い圧力がなければ、中国当局が自ら外資企業に対して国内証券市場の開放はあり得ないと指摘した。
トランプ政権は3月下旬、知財権侵害として、500億ドル相当の中国ハイテク製品などに対して追加課税を課すと発表した。これを受けて、中国も米国産大豆などを対象に同規模の報復関税を実施すると発表した。
4月に入ってから、トランプ大統領は、中国からの輸入品1000億ドル相当に対して新たな追加関税の検討を示し、貿易不均衡問題をめぐって、中国当局に一歩も譲らない姿勢を構えた。
(翻訳編集・張哲)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2018/05/32940.html