具体的な案としてフィリピン航空などを傘下に持つルシオ・タン・グループがターミナル改善と拡張に1000億ペソ、現在2本ある滑走路を1本増やしターミナルなどの増設に2500億ペソ、計3500億ペソ(約7100億円)が提案されている。
しかし、マニラ国際空港は周囲を市街地に囲まれていて、滑走路増設の用地確保は難しく、現在ある施設の改善、拡張だけが現実的と見られている。
マニラ国際空港は現在利用客が年間4000万人を超え、パンク状態が近いために、関係当局はルソン島中部パンパンガ州にある元アメリカ空軍基地を利用したクラーク国際空港を利用することにし、2017年12月から新ターミナルを建設中で、2020年完成を目指し、首都圏とクラークを繋ぐ鉄道も日本の援助で建設中。
こういった動きに対して、ビール醸造で知られる複合企業大手サンミゲル社が、マニラ首都圏に隣接するブラカン州に新空港建設【写真】を提案していて、この提案は国家経済開発庁(NEDA)が4月末に他の大型インフラ8事業と共に承認をした。
ブラカン新空港は年間1億人の利用を目指し、用地面積は2500ヘクタールで、そこに平行する4本の滑走路とターミナルを建設する。
総事業費は7356億ペソ(約1兆6000億円)と巨額だが、同社は空港周辺に商業地と住宅地を独占開発し、漁夫の利を狙っているとされる。
完成はドゥテルテ大統領の任期の終わる2020年としているが、日本の援助で建設中の滑走路が1本しかない新ボホール空港が工事期間4年以上かかり、明らかに無理な開港計画と分かるが、大統領のご機嫌を取るために机上の計画をあえて出したと見られている。
この他、首都圏南方、マニラ湾を臨むカヴィテの海軍基地にある滑走路を中心にする新空港計画も持ち上がっているが、総合的な観点から見た航空行政というものが欠如しているために、大企業の儲け口として空港建設がバラバラと場当り的に成されているのがこの国の実態で、そのツケはいずれ国民に回って来るのは必至。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=355