中国・ZTEが米の輸出禁止令で大打撃 発端はZTEの「裏切り」
米通商省が16日、米企業による中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)への部品販売を7年間禁止すると発表した。
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17日、同社は香港市場で株式売買を一時停止。主要部品を米企業に大きく依存する同社の総裁は20日、ZTEがショック状態に陥りかねないと発言し、致命的な打撃を受けていると認めた。生産ラインの半数がすでに停止したと伝えられ、世界シェア4位、中国シェア2位という巨大企業の経営は一瞬にして傾いた。
中国の国務院国有資産管理委員会研究センターが4月20日、「米による中興制裁事件に対する分析と反省」と題する記事を発表した。同記事は「ZTEの対応が非常に愚かだった」と輸出禁止処置は避けられたはずだったと同社の一連の対応を批判し、「誠実な会社運営が必要だ」と論じた。
今回の輸出禁止令は、ZTEのウソが発端だった。
米商務省は昨年3月、米国が制裁対象としているイランや北朝鮮に通信機器などを輸出したとして、ZTEに総額11億9000万ドル(約1270億円)の罰金を科した。関与した従業員の解雇やボーナス減額などの懲戒処分も求めた。
ZTEは違反を認めて罰金の支払いに同意し、従業員を処分したと報告していた。しかし、実際にはボーナスを全額支払っていた。
処分がくだされた時点で、ZTEが合意を完全履行しなければ「アメリカでのビジネスが不可能になる」と警告した。それでも、虚偽の説明がなされた。記事は「ZTEは社員と経営陣をけん責するどころか、報酬を与えた。このような人たちの悪い素行に目をつぶるわけにいかない」というロス商務長官のコメントを引用して、ZTEの不誠実な対応を批判した。
記事は「ZTEのウソは今回が初めてではない」と一連の経緯に言及した。2012年3月、米テキサス州の裁判所は禁輸措置を破ったとして、同社に対する調査を開始した。2013年11月、すでに調査を受けているにもかかわらず、同社は禁輸対象製品を江蘇省無錫の会社を迂回してイランに輸出する手口を取った。2016年、米商務省は同社に第三者を派遣して調査を行った。しかし、調査過程で同社は関連情報を故意に隠蔽(いんぺい)するなどして、米の信頼を失った。同年3月、ダミー会社による規制回避と虚偽の報告があったとして、米は同社と関連会社を輸出規制の対象に指定した。その後、同社はTemporary General Licenseを更新して昨年3月まで猶予期間の延長を繰り返した。それでも合意内容を守らなかった。同社の再三にわたる約束破りで、米政府は制裁に踏み切った。
同記事は「ZTEの短視眼的で、ウソを重ねた不誠実な対応は多くの企業を道連れにした」と影響の大きさを危惧した。ZTE社に8万人の社員が在籍しており、下請けの会社も入れれば、今回の制裁措置は数百万人に影響を及ぼす恐れがあるとした。さらに、制裁はほかの通信会社にも波及するとの懸念を示した。
2009年にZTEはすでに禁輸商品の取引にリスクがあると気づいていた。同社法務部は2011年に2回にわたって、リスク回避のための対策案を経営陣に提出したが、実行されることはなかった。また、同社上層部の訪米の際、入国審査で秘書のパソコンからイラン向けの取引に関する会議記録や決定事項が見つかった。「このような機密資料は決して海外に持ち出してはならない」と同社経営陣に危機管理の意識が全くないと記事は批判した。
記事は事件の一因として「誠実さが欠如する」中国の社会環境を挙げた。「著作権と法律を尊重する社会環境作りが急務だ」と呼びかけた。
「的を射た分析」とインターネットで転載されている同記事は現在、削除されている。
(翻訳編集・李沐恩)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2018/04/32771.html
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