中央選挙管理委員会が発表した最終結果によると、フィデスは134議席を獲得し、改憲に必要な3分の2の議席を抑えた。特に小選挙区では106議席中91議席と圧倒的な強さをみせた。
2位は極右のヨッビクで25議席を確保、中道左派連合「社会党・ハンガリーのための対話」(MSZP-PM)は20議席に後退した。
比例代表の得票率はフィデスが48.9%、ヨッビクが19.4%、MSZP-PMが12.3%だった。
オルバン首相は2010年の就任以来、その政治手法が民主主義を形がい化し、強権化を進めると批判されてきた。大量の難民が欧州に到達した2015年からは、EUの難民政策に反対し、一貫して受け入れを拒んでいる。
選挙戦でも改めて、自らが「キリスト教を基盤とするハンガリー文化の守護者」であると強調し、イスラム圏からの移民に対する強い警戒を呼びかけた。
今回の選挙では投票率が70%と、前回2014年の61.8%、10年の64.4%を大きく上回ったことから、一時は野党の巻き返しかと推測された。しかし、ふたを開けてみれば、フィデスが得票率を前回から5ポイント伸ばして圧勝し、国民の支持を見せつける格好となった。
専門家らはこのため、ハンガリーで今後、メディア、市民団体、司法の引き締めがさらに厳しくなると懸念する。ニューヨークタイムズ紙は、「『(定期的な選挙の実施と権威主義的な政治運営が共存する)選挙権威主義』体制が完成する」と悲観的な未来を予測している。
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