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Uberを買収したGrab フィリピンで独占状態 その弊害とは?

  
グラブがウーバーを買収すると、フィリピン国内での配車サービス占有率は90%以上になり、ウーバーはこの買収によって4月8日でフィリピンでの営業を終了するとしていたが、フィリピン公正取引委員会から同サービス事業の独占化の指摘がなされ、取り敢えず4月15日までの延長を決めた。
  
また、この買収によってグラブは運賃体系を見直し、料金の値上げを始めていて、利用者の不満が沸き起こっている。
   
これは、利用ピーク時に従来料金の最大2倍になる運賃値上げと、乗車1分当たり2ペソの上乗せを行っていたことで、事態を重く見た政府当局はグラブに対して是正命令を出した。
  
当局は料金2倍に関しては1.5倍に抑えるようにし、1分当たり2ペソの上乗せについて5日以内に、その理由を書面で報告するように求めていて、正当な理由がない場合はグラブの配車サービス認可を取り消すこともあるとしている。
   
4月11日にこの問題で公聴会が開かれ、グラブは値上げを1.5倍以下に抑えると言明。
  
また、1分当たり2ペソの加算は、昨年7月から政府当局の監督のもとに始めていて違法ではないと反論している。
  
これは地獄的な交通渋滞のため、従来の料金体系では利益が上がらないためと説明しているが、利用者無視、利益優先の措置と批判を浴びている。
   
グラブは2012年にシンガポール企業として始まり、フィリピンは2013年8月からマニラで営業開始し、アセアン加盟国内で次々と事業を拡大。
   
グラブは日本企業とも繋がっていて、日本のホンダやトヨタが出資し、大株主にソフトバンクが名を連ねる。
  
フィリピンではグラブの独占化が進んでいるものの、配車サービスに参入する会社は現在5社が名乗りを上げていて、当局はその参入によって和らげると見ている。
   
しかし、携帯電話業界で見るように新たな参入は非常に難しい壁があるのも事実。
  
これはフィリピンの携帯電話会社は公営企業的なPLDTのスマート社と後発の財閥系グローブ社の2社しかなく、寡占化による弊害が指摘されている。
  
このため、第3の携帯電話会社参入を当局は考えているが、参入条件は非常に厳しく当局は本当に第3の携帯電話会社を入れる気があるのかとまでいわれている。
   
今回のグラブによるフィリピン国内の独占化は、携帯電話事業同様利権が強固になって、弊害を生むのではないかと危惧されている。
  
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&config=&command=body&no=455