2018年4月12日

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • copy

ベトナムのEコマース市場が「日本の2.5倍の速さ」で急成長する理由とは?

ベトナムのEコマース市場が「日本の2.5倍の速さ」で急成長する理由とは?

インターネット利用率やスマートフォン所有率の向上、さらには主要小売企業による大量投資を背景に、ベトナムではEコマース市場が急成長を遂げていると地元メディアは報じている。

この記事の続きを読む

 
商工省下ベトナム電子商取引IT庁(VECITA)のLai Viet Anh副局長によると、ベトナムは世界有数のEコマース急成長国である。
 
「ベトナムにおけるEコマースの成長率は年間35%と、日本の2.5倍の速さで成長しています。」
 
インターネット・テクノロジーの取り入れが可能なベトナム企業の数は、インターネットの利用がそれほど活発ではない国と比較して、2.1倍の速度で増加している。また技術革新に対する投資が予算の30%以上を占める中小企業数は、予算の10%以下である中小企業数よりも、9倍以上の速度で成長している。
 
ベトナム国内におけるEコマース市場の小売売り上げ成長率は、2016〜2020年にかけて年間20%になると予測されており、売上高は2020年までに100億米ドル規模に到達すると見込まれている。
 
しかしながら、製品・サービスに対する信頼性の低さや、オンライン決済の安全性に対する不安など、Eコマース市場が持続的な発展を遂げるにはまだまだ課題が多い。加えて、ベトナムのEコマースサイトのほとんどが、製品情報や決済方法に関する情報と言った、基本的なサービス提供のみにとどまっている。
 
そのため、デジタルマーケティングの最適化やオンライン販売・オフライン販売の連携といったサービスが強化されていかなくてはならない。
 
 
流れを変えるe-ロジスティクス
 
参入企業の増加や、既存オペレータによる配送サービスの改善など、2018年には物流がベトナムのEコマース市場の流れを一気に変えると予測されている。
 
Nguyen Thi Thuyさん(29)は今週、仕事から帰る際にオンラインショップで家族全員分の夕食を注文したという。Thuyさんにとって、今週2度目のオンラインショッピングである。
 
「バイクに乗って買い物に行き荷物を運ぶよりも、玄関先まで必要なものを全て運んでくれた方が楽です。」
 
Eコマースサイトの中には質の高い品物やサービスを配送料無料で提供しているところもあるため、オンラインでショッピングする方が好きだとThuyさんはいう。オンラインショッピングをすることでThuyさんは時間をセーブし、お得なバーゲンも見つけることができる。
 
確実で便利に配達してくれるオンラインのショッピング体験を楽しんでいる消費客は数多くいる。
 
消費者行動の世界的なエキスパートであるKantar Worldpanel氏によると、4大都市におけるEコマース買物客の割合は、昨年1年間だけでも5.4%〜8.8%増加しているという。
 
こうしたトレンドからも、外資系のロジスティクスプロバイダーやEコマースオペレーターの多くがeロジスティクス提供の機会を逃さず、急成長の波に乗ろうと努力を行なっている。
 
 
今年のトレンド
 
Eコマースが急ピッチで成長しているため、配達業者は回数が多く、規模の小さなオーダーに対応できる、新しいビジネスモデルを創出しなければならない。
 
交通渋滞や不在配達、郊外における物流コストの高騰といった問題に対処できるよう、配達業者はテクノロジーやインフラストラクチャーに投資を行なっている。
 
このダイナミクスが、顧客が指定の集荷場所から注文した品物を受け取る「カスタマー・コレクション・ポイント」と言った、2018年の注目トレンドに火をつけている。コレクションポイントでは自宅待機することなく、いつでも好きな時に発注品を顧客が受け取ることが可能である。
 
DHL eコマースは昨年11月、ベトナム国内でサービスポイントの全国ネットワークを開始した。来年末までには1000以上の店舗に拡大する予定である。DHLでは、雑貨店やミニマート、カフェなどにDHL eコマース・カウンターを設置し、カスタマー・コレクション・ポイントと似たコンセプトであるショップ・イン・ショップモデルを展開している。
 
Giao Hang Nhanh Company (GHN) でもローカルショップやコンビニエンスストア、ビルなどにカスタマー・コレクション・ポイントのネットワークを展開することを計画している。
 
ラストマイルの宅配スタートアップは、2018年末までに店舗数を1500まで増やすことを目標としている。
 
これに加えて、2018年には自動化と関連技術に対する投資が物流企業の成功を左右すると言われている。
 
2017年第3四半期にはLazadaが初の自動仕分けセンターをホーチミン市内に開設しており、2018年第1四半期には2つ目のセンターをハノイに開設する見込みである。Lazadaではまた、従来の仕分けセンターの機能強化を来年中に行う予定であり、仕分けキャパシティを3倍以上に向上させる予定である。
 
GHNのCEOであるNguyen Tran Thi氏は、オペレーションの最適化、プロセスの簡素化、そして工場の強化や物流の整備を行うために、自動化などのテクノロジーに投資を行うだろうと述べた。今年、GHNは都市部で2時間以内、全国では24時間以内の配達を目標として掲げている。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3337.html

この記事の提供会社

logo

中国プラスワン時代に必須!  東南アジア地域アパレル生産情報の決定版

http://apparelresource.asia/

メルマガ会員  
 

出島