閣議にはボラカイの閉鎖を提言していた環境資源省長官、観光庁長官、内務自治省長官も出席し、4月26日開始の6ヶ月間閉鎖の線でまとまった。
ただし、貿易産業省は地元経済に打撃が大きいとして、段階的、地域別の閉鎖を提案し、フィリピン商工会議所もボラカイ島を3つに分けて閉鎖するよう提言していたが、強硬策に押し切られた形になった。
この荒療治によってボラカイ島で観光業に従事する少なくても3万6千人以上が失職し、その家族などを含めると容易な数字ではなく、経済的な損失は560億ペソ(約1150億円)に上ると試算されている。
このため、労働雇用省や社会開発省などが失業対策の対策を練っているが、効果的な対策は出来ていない。
このような結果を引き起こしたのも、ボラカイ島が金儲けだけに終始し、島の自然を食い荒らしたためと島民にも反省が生まれ、6ヶ月間で島が生まれ変わればやむを得ないとの声も強い。
閉鎖された6ヶ月間で島内の違法建築物の撤去、排水設備やゴミ処理施設などが整備されるが、それが上手く計画通りに行くか不安定要素も多い。
特に違法建築が多く、既得権を主張する側の抵抗も考えられ中央で決めたことが順調に進むかどうかは未定。
こういった騒ぎの中で、セブ市で最も高い40階の高層ホテルを所有するホテルグループが運営するボラカイのホテルで建物の違法排水が見つかり、同ホテルは閉鎖に追い込まれた。
今回のボラカイ島を巡る環境問題は他の観光地にも波及し、パラワン島のエルニド、ボホール島のバングラオ島のリゾート施設地域でも環境破壊が指摘されていて、セブのマクタン島【写真】でも同様との指摘がなされている。
いずれにしてもフィリピンのリゾートが、政府も呆れるほど汚染、環境破壊されていた実態から、これまで順調に伸びていた海外からの訪問客にブレーキがかかるのは確実。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=442