FacebookがAPIをブロックしたことは、Facebookを取引プラットフォームとして活用している多くのベトナムのオンラインビジネスに影響を及ぼしている。
これにより、それらのFacebookアカウントには一時的にログインすることができなくなっている。Facebook Shopやその他サードパーティによるアプリのように、アプリケーション・プログラミング・インターフェイス(API)を使ってユーザーデータを収集するアプリは、他にはほとんど存在しない。
「FacebookとMessengerに接続しているベトナム開発者のアプリケーションは、2日前に動作を停止してしまいました。」と、ホーチミン市で販売用ウェブサイト構築をサポートしているプログラマーであるNguyen Thanh Tung氏は述べた。
Tung氏によると、このことによりFacebookのユーザーデータを利用するすべてのウェブサイトの機能やアプリに影響が及ぶという。
「あまりに多くの人に影響が広がっています。我々のグループメンバーは顧客一人一人に対応しなければならないのですが、何もできないでいます。」とTung氏は続けた。
ハノイにあるeコマース企業の代表者であるDoan Trung Thong氏によると、すべてのオンライン販売業者はフィードバックの効率性を高めるために、Messengerの会話管理ツールを通じてFacebook上の顧客と対話し、顧客のすべての注文やコメントをファンページ上で統合管理していたという。
「オンライン販売者は、効率性が低くビジネス向けに最適化されていないFacebookのデフォルトツールを使用しなければならなくなるでしょう。」とThong氏は続けた。
3月26日にFacebookは、Messengerプラットフォームを使用しているすべての開発者に対し、APIやサードパーティ向けアプリケーションに関する変更を発表した。このソーシャルネットワークではすべてのAPIをレビューし、ユーザーからのデータ収集を制限しようとしている。
この問題は、ベトナムのオンラインビジネスが、多数のユーザーとの意思疎通が可能なFacebookに大きく依存していることを示している。ベトナムの販売管理ソフトSapo.vnの最新調査によると、1000以上の小売業者のうち80%がFacebookを取引プラットフォームとして選択している。
「APIのブロックは、Cambridge Analytica社が5千万人を超えるユーザーの個人情報を不正利用したというスキャンダルの後、それに対する謝罪の意を改めて示す動きです。すべてのアプリケーションをブロックしてチェックする動きは、ユーザーの権利を守ることを目的としているのでしょう。」とベトナム電子商取引協会(VECOM)のTran Trong Tuyen会長は述べた。
同様のサードパーティによるアクセスコントロールの問題としては、Facebookと同じソーシャルメディア・プラットフォームであるYoutubeが、2017年11月に子供たちのイメージで横暴で卑猥なコメントと共に画面の端に表示された有償広告が、ユーザーと広告主の間で抗議とボイコットの波を巻き起こし、非難の的となったことが挙げられる。
一方、FacebookがAPIに関する非難を浴びているさなか、マルチメディアとメッセージングアプリのSnapchatでは、広告やその他の機能をさらに特定のユーザー向けにカスタマイズできるよう、Snapchatのユーザーデータに対するサードパーティ・アプリケーションの条件付きアクセスを可能とするサービスの提供を始める、とオンライン・ニュースサイトのThe Verge が報じた。
米国を本拠地とするビジネスを中心としたソーシャルメディア・プラットフォームのLinkedInは、2015年に非常に多くのサードパーティに対してAPIを制限することを発表し、個人が自身のプロフェッショナルな経歴、資格、および作品を紹介すること、また企業がプロのコンテンツを登録済み企業API上で展示することだけを認め、そのことが LinkedInの個人および営利企業の間の多額のパートナーシップ契約を抑えたことが後に報告された。
メディア共有プラットフォームのInstagramも2017年後半に、プラットフォームのAPI上の技術的な欠陥によって、公開された人物やインフルエンサーに関するアカウントの個人情報がハッカーによって侵害され、個人のメールアドレスや電話番号が漏れて取引されたというスキャンダルに見舞われている。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3319.html