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インドネシアがEUとFTA提携へ交渉開始 ベトナムとの競争力強化へ

インドネシアがEUとFTA提携へ交渉開始 ベトナムとの競争力強化へ

インドネシアがヨーロッパ連合(EU)との自由貿易協定を締結すれば、繊維・アパレル製品の輸出額は約3倍に急増するであろう。

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工業省で化学、繊維、その他産業を統括するAchmad Sigit Dwiwahjono局長によると、国内の繊維輸出市場における弱点は、競合国ベトナムと比較した際に弱い、国内繊維企業の競争力にあるという。産業省はEUとの自由貿易協定(FTA)の締結を推し進めていくとDwiwahjono氏は述べた。
 
インドネシア・EU間の協議、交渉はすでに2年間に及んでいるが、調印には未だに至っていない。第4回目の交渉は2018年2月19日〜23日にかけて、スラカルタ(ジャワ島中部)で行われ、5回目の交渉が夏前にブリュッセル(ベルギー)にて予定されている。(日程は未定)
 
現在、EUへの繊維輸出額はインドネシア全体の約35%を占めており、2017年の対EU繊維輸出額は50億米ドルに到達したと推定されている。
 
しかしながら、発展状況や繊維業界の上下流の整備度合いを考慮すると、商品競争力が増せばインドネシアの繊維業界の発展の余地はまだあるとDwiwahjono氏は考えている。
 
現状、インドネシアの対EU繊維輸出には5〜20%の輸入関税が課せられているが、強豪国ベトナムは無関税の特権を享受しており、価格面での競争力が高い。
 
Pan BrothersのAnne Patricia Sutanto取締役副社長はFTAがインドネシアの繊維産業に必ず良い影響を与えると考えており、インドネシア・EU間の交渉がスピードアップするよう願っている。
 
インドネシアが国際市場でまだ勢力を持っていた2008年に、ベトナムがEU、アメリカとFTAを締結したことが一部原因となってその座をベトナムに奪われた。繊維の世界市場におけるインドネシアのシェアは現状1.8%に過ぎない。
 
インドネシアの上場企業であるPan Brothersは、国内繊維産業のビッグプレーヤーの一つである。
 
同社は6ヶ所に23工場を所有しており、およそ23000名の従業員を擁する。年間の生産キャパシティーは9000万点である。現在タシクマラヤ(ジャワ島西部)に生産能力年間600万点の新工場設置の計画を立てており、生産能力はさらに上がる見込みである。
 
繊維産業はインドネシアにおける最も労働集約型の産業であり、産業が活発になれば多くの雇用を生み出すことになる。
 
しかしながらSutantoによると、Pan Brothersにとっての最大の課題は工場新設時の人材確保にあるという。そのため、繊維労働者育成のための政府プログラムの設置を望んでいる。
 
現在インドネシアでは、総労働人口の約21%となる、350万名の労働者が繊維産業に従事していると見込まれている。
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3312.html

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