これは、労働法施行政令(49/2013)の修正案として労働傷病兵社会問題省が提案した、賃金表や給与計算に関する規制の一案である。
当省によると、各賃率間に少なくとも5%ある現行の賃金格差が、企業の給与方針や賃金表、給与計算に影響を与えており、市場メカニズムにも合っていないという。
規定の格差を作り出すために、多くの企業は年功序列の賃金表を作成している。若年の労働者と仕事内容は大差ないにも関わらず、熟年の労働者に対しては通常、2〜3倍高い給与・社会保険料を支払わなければならない。結果として、多くの企業が熟年労働者を解雇し、若年の労働者を雇用している。
こうした現行の規定の代わりとして、当省は2つのオプションを提案している。
一つめのオプションは、各賃金率間に定められている5%の賃金格差を撤廃するというものである。
企業や労働組合はこれの代わりとして、成果や役職をベースとした賃金の策定を協議することになる。
しかしながら賃金率間の賃金格差は、労働者の専門・技術スキルの向上や、経験の蓄積、能力の成長を促すものである。このオプションでは企業の自主性を促すものの、労働者の利益は危機にさらされることになるであろう。
二つ目のオプションは、賃金格差を改定し、5%から3%に縮小するというものである。これに基づき、労働者の利益を保護するための最低賃金を国が策定することが可能になる。しかしながら、企業側の賃金表や給与計算の構築という面では制限が設けられることとなる。
現在の労働市場の状況や労働組合のキャパシティを考慮すると、本オプションの導入にはロードマップが必要になると当省は考えている。なお、労働傷病兵社会問題省は二つ目のオプションを推奨している。
専門家や企業からは、当改定案に対する意見が上がっている。
国会社会委員会のBui Sy Loi副議長はこの改定案を支持し、給与体系が各労働者や企業の成長の阻害要素となってきたと「今日の農村(Nong thon Ngay nay)」紙に語った。年功序列の給与体系がネックとなり、成果を出している者にもそうでない者にも同じ額の給与が支払われてきた。
フンイエン省経済団体の長でもあるHung Yen縫製株式会社のNguyen Xuan Duong会長は、給与格差を5%以下に縮める又はそれを撤廃するという規定が定められれば、企業が給与計算法を自主規制する環境が生まれるだろうと述べた。
これは、企業が全労働者の賃金を上げるのではなく、生産性の高い労働者のために賃金基金を使うようになることを意味する。
雇用専門家のNguyen Thi Lan Huong氏は別の見解を持っている。政策立案者のように、経験の蓄積が重要な職種については年功序列の給与体系が必要であるとHuong氏はいう。
労働組合長のVu Quang Tho氏は、労働者の賃金が低すぎることを指摘している。給与が上がる度にもらえるのはほんの数万ドンであり、飴を一袋買うのにやっとの金額である。新しい賃金差額である3%では、労働者の生活はごく厳しくなるだろうとTho氏は述べた。
労働傷病兵社会問題省のPham Minh Huan前副大臣によると、現行の規定により多くの企業が経済的負担を背負わされているという。基本給与が上昇し続けているため、生産性自体はそれほど向上していないにも関わらず、年功の給与は年々上昇している。
改定案は、年功序列に基づく給与計算の排除を目的とするものではないとHuan氏は言う。二つ目のオプションは現在はあまり行われていない労働者・雇用者間の交渉を活性化させるものであるため、このオプションが良いであろうとHuan氏は述べた。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3302.html