ミャンマーの「最低賃金引き上げ」 労働者のモチベーションUPに好影響
ミャンマーの新たな日額最低賃金は、これまでの日額3,600チャットから33%引き上げの4,800チャットと決定され、3月5日の全国最低賃金委員会で発表された。
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新最低賃金は数か月に及ぶ企業側と労働組合側の協議の末に決定された。
4,800チャットの最低賃金で合意に至るまで、企業側は4,000チャットを目指しロビー活動を行っていた。それに対し、労働者側は生活のために必要な金額を考慮すると最低でも5,600チャットは必要だと主張していた。
賃金は高くなったものの、それによる良い影響を認める企業もある。小規模な縫製工場を経営するDaw Htay Htayは、労働者がより意欲的になり、仕事にも責任を持つようになったと話す。労働集約的な縫製産業は最低賃金の上昇により最も影響を受ける産業の一つである。
「賃金が上がると知った労働者らは仕事により責任を持つようになった」と彼女は話す。
80人の従業員と40人の季節労働者を雇用するGenius Coffeeの創設者、U Ngwe Tunは、従前の3,600チャットはほとんどの労働者にとって不十分であったと認める
「今回の賃金引き上げをよいことと受け止めている。この分を価格に上乗せして顧客に負担させることはない」と彼は述べた。
彼はまた、「賃金上昇を予測し、昨年からその準備を進めていた。当時は工程に85人が関与していたが、人力に頼る部分を半分にまで減らした」と説明する。
賃金上昇にも関わらず、ミャンマーの日額最低賃金は東南アジアの他国、カンボジア、ラオスなどと比較しても最も低い。マニラの全国賃金・生産性委員会が先月発表した東南アジアにおける賃金比較によると、ミャンマーの月額最低賃金は80.28ドルに過ぎず、ラオスの110.34ドル、カンボジアの140ドル、ベトナムの147.47ドルよりも大幅に低い。
ただし、今回の引き上げでミャンマーの最低賃金は4000以上の縫製工場を擁するバングラデシュよりも高くなる。
<DIGIMA NEWS編集部の視点>
世界ではグローバリズム化が促進され、各途上国が経済的に発展することによって、最低賃金は軒並み上昇傾向にある。
ちなみに、東京都の最低賃金時間額は958円となっている(平成29年10月1日改訂)。アジア諸国の中ではトップであるものの、いわゆる先進国においては最下位クラス(1位:フランス(11.2ドル)、2位:オーストラリア(11.1ドル)、3位:ルクセンブルク(11.0ドル))となっている。
※世界の最低賃金については下記の記事を参照のこと
「世界の最低賃金ランキング」から考える日系企業の海外進出
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3291.html
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