フィリピンでは「政治家の世襲率」が高い地域ほど「貧困率」も高い?
日本でも安倍総理、麻生副総理と総理大臣を祖父に持つ世襲政治家の弊害が指摘されているが、このフィリピンは政治を家業とする政治屋一族が国政や地方自治体に巣食っている実態が大学の調査によって明らかにされた。
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調査した大学はアキノ前大統領などが卒業した、フィリピンの国立大学以上のレベルを誇る私大の雄アテネオ大学で、政策学部長などが関わった。
それによると、81ある州の中で、州知事の81%が世襲もしくは一族の関係者、定数229人の下院議員では78%が世襲であることが分かった。
また、地方自治体の市長、町長でも69%、副市長、副町長が57%が世襲、もしくは一族の関係者となった。
特にミンダナオ島イスラム教徒自治区(ARMM)を構成する州では一族間で世襲し公職を独占することが目立ち、世襲が高い地域ほど貧困率が高いことも明らかになった。
ARMMの州の中で際立って世襲が行われているのは南ラナオ州、マギンダナオ州、スールー州の3州で、この3州は貧困率が全国で最も高い州となっている。
また、南ラナオ州は州都マラウィ市で政府軍とイスラム武闘派間で長期間の市街戦が行われ、ミンダナオ島全域に発布された戒厳令のきっかけを作った地域。
マギンダナオ州は2009年11月に地域を牛耳っていた一族が、反対派60人近くを虐殺した事件の起きた場所で、その首謀者一族は健在で同地域の自治体20以上の要職を占めている。
スールー州はイスラム武闘派の跋扈する島で、こういった問題を生じさせている州は世襲の政治屋一族が多い地域と相関関係も露わになった。
こういった弊害は誰しも分かっていて、フィリピン憲法にも世襲の禁止はあり、議員職や首長職の連続4期禁止も定められている。
しかし、一度休めば再び同職に復帰できるザル法のため有名無実、むしろ隠れ蓑になっているのが実態。
さすがに数字で実態が明らかにされると、割合良心的な政治家から『世襲制限法案』の可決を呼びかける声も上がるが、具体的な法案作りで自らの首を絞めるようなことは世襲政治屋連中はあり得なく、法案可決の道は遠い。
肝心の現大統領のドゥテルテ自身、長女にダヴァオ市長を継がせ、不祥事で辞任したが長男を副市長に据えて王国を維持し、法案には明確に反対を表明。
フィリピンの政治屋の世襲蔓延は『病気』といって良いほどで、それは日本においても同様。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=440
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