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米石油大手「エクソン」とロシア大手「ロスネフチ」が合弁解消 資源開発事業の見通し立たず

  
欧米による対ロ経済制裁の影響で事業開始の見通しが立たないことが理由で、西シベリアのシェール油田、黒海の深海域および北極海大陸棚における資源開発事業から撤退する。
 
エクソンは2月28日に米証券取引委員会に提出した年次報告書で、同方針を明らかにした。合弁解消に伴う損失は税引き後利益で約2億米ドルに達する見込みだ。
 
両社は2011年、広範な資源開発に向けた提携で合意し、13年から14年にかけて複数の合弁会社を設立。総投資額は5,000億ドルに達すると目されていた。しかし、14年のロシアによるウクライナ侵攻を機に発動した制裁対象にロスネフチも含まれていたことから、合弁事業の多くが中断されていた。
 
エクソンによると、合弁解消は米国の対ロ制裁が強化される中、昨年末に決定された。同社はロスネフチに対し、2020~23年までに複数の資源探査を実施することで合意しており、現状では期限までの履行は不可能と判断したとみられる。エクソンが30%を出資するサハリン島北部大陸棚の石油ガス開発事業「サハリン1」は継続する。
 
ロスネフチは国営タス通信に対し、今回の動きを「予想していた」とコメント。合弁解消となった全ての事業を今後は単独で実施する考えを表明した。
 
ソース:http://fbc.de/ost/ost34223/