今回の覚書では、円とバーツの直接交換取引を増やすことを主軸とし、日本側は取引を増やすためにバーツの保有規制を緩めるよう要求する。近年、新興国ではドルに対する過度な依存に警戒感が広がっており、日本政府もアジアの金融市場の安定に向けて脱ドル経済圏づくりが必要という立場をとっている。
そこには、従来日本円とタイバーツの交換には、円からドルに交換した後にドルからバーツに交換されているという背景がある。今後、円からバーツに直接交換が可能となった場合には、為替手数料が軽減され、途中で交換されていたアメリカドルの金融市場の影響を受けなくなるという大きな利点がある。
<DIGIMA NEWS編集部の視点>
同国では現在、住民権を持たない外国人に対し3億バーツ(956万U.Sドル)以上の所持を認めておらず、その政策の結果バーツの流動性が鈍化している。日本政府は今後、円とバーツの直接交換取引の増加を見越し、その上限の引き上げを要請している。
日本は同国にとって最大の投資国であり、今回の覚書の締結により、日本とタイにおける金融協力が強化されることで、両国間での連携が強化され、タイへの投資がますます加速することになりそうだ。
(参照)http://jakartaglobe.id/international/thailand-japan-promote-local-currencies-trade-investment/