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資産10億ドル以上を保有する「フィリピンの大富豪12人」とは?

    
少ないと思える支給額も定収入のない貧困世帯にはありがたく、支給日には窓口になっている銀行などの前には支給を受ける人々が群がり、アセアン内で経済成長率を誇るフィリピンも、底辺にはその恩恵が及んでいないことを伺わせる。
   
経済成長もバブル的になると不動産や株式が高騰し、その恩恵を受けるのはそういった資産を抱え込む層で、その象徴が経済誌による『世界大富豪番付』で、2017年度版が公表された。
   
これによると、資産10億ドル以上を持つ大富豪は世界で2124人いて、フィリピンは12人となっている。
  
いずれもフィリピンバブルによって資産額は急増し、フィリピンで1位はフィリピン最大の銀行を傘下にした、小売り最大手シューマート=SMの創業者『ヘンリー・シー(93歳)』で、200億ドル(2兆1千億円)。
 
これは世界でも52番目に入り、フィリピンの2017年度国家予算額が7兆円ほどだから、その資産規模がこの国では天文学的であることが分かる。
 
2位にはセブパシフィック航空や食品、化学会社を持つ『ジョン・コゴンウェイ(91歳)』の58億ドル。
 
フィリピンの大富豪はほとんどが中国系だが、スペイン系で3位にコンテナ・サービス会社やカジノ会社を持つ『エンリケ・ラソン(58歳)』の49億ドルでフィリピン人では最年少のランク入り。
 
4位はフィリピン航空や煙草会社、酒類製造会社などを持つ『ルシオ・タン(83歳)』の47億ドルでこの人物は政商と評判を取る。
  
5位に不味くてもフィリピンでは絶大な人気を誇るハンバーガー・チェーン最大手のジョリビー創業者の『トニー・タン』が40億ドル。ジョリビーは不振の他業種を買収して建て直すのも上手く、それら併せて国内には2600店以上を展開する。
 
6位は『ジョージ・ティ』が39億ドル、この人物は銀行大手を傘下にし国内自動車販売最大を誇るトヨタのフィリピン側パートナーでもあるが、渋滞や自動車公害問題には全く関心のない人物。
 
7位に苦学して不動産王となり、その金の力で2016年の大統領選に出てドゥテルテに惨敗した『マニー・ヴィラール』前上院議員が30億ドル。
  
8位『アンドリュー・タン』が27億ドルで、建設会社大手や不動産会社や酒類醸造会社を傘下に持つ。
 
9位は『ラモス・アン』が25億ドルで、ビールで有名なサンミゲル社を率いるが、今のサンミゲル社はビール会社ではなく複合企業に変身し、巨大インフラプロジェクトを手掛ける。
 
10位に『ロバート・コイウト』が14億ドルで、公的保険の脆弱なフィリピンで急成長した大手保険会社を傘下にする。
 
11位にはアキノ元、前大統領と親戚になる『エドアルド・コハンコ』が13億ドル。この人物は独裁者マルコスがハワイへ逃亡した時、同じようにアメリカへ逃げたマルコスの取り巻きの1人。いつの間にか帰国して大統領選に出るまで復権したが、金があるのでその下に群がる政治屋は多数。
 
12位は『ロバート・オンピン』の11億ドル。オンピンの一族名は政治の世界にも名を残すが、不動産とインターネット・ギャンブルが資産になっている。
 
このようにフィリピンの大富豪の共通点は税金を払わないと定評のある中国系人物で、不動産会社、銀行、建設、交通関係、煙草や酒、ギャンブル会社を持つようだ。
 
これら大富豪、国際的な脱税行為をすっぱ抜いた『パラダイス文書』に載っていたかどうか、フィリピンでは話題にもならなかった。
 
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&config=&command=body&no=452