中国インターネット情報センター(CNNIC)がこのほど発表した2018年版の「中国インターネット発展情報統計報告」によれば、中国のAI関連企業数は17年6月時点で592社に達した。これは全世界の23.3%を占める。AI関連の特許申請件数も急増しており、16年は3万115件。過去2年間で倍増した。
17年はAI産業の発展が新たな国家戦略に位置づけられたこともあって、大いに市場が湧いた。アリババ、テンセント、百度、ファーウェイなどの大手はもちろんだが、スタートアップの新規参入も急増。市場では、毎日のように資金調達に関するニュースが飛び交う。昨年11月には、画像認識技術を得意とする商湯科技が、アリババから15億元の巨額資金を調達したことで話題になった。
一方で、AIはバズワード化している。商湯科技や寒武紀科技、地平線機器人、中科創達など、優秀な研究者を抱え技術力に定評ある企業もあるが、実際にはディープラーニングなどの関連技術を用いていないにもかかわらず、AIと称する製品やサービスを展開する企業も出現している。確かな技術力はなくとも、キャッチコピーにAIを使えば、市場の関心を得やすく、資金も調達しやすいためだ。最近では、こうした状況を懸念する声が増えてきた。中国メディアの経済参考網は2月1日、「偽概念がAI産業に“バブル”生む」と題した記事を掲載。18年にAI産業に淘汰の波が訪れる可能性を報じた。
テンセントの研究院部門がまとめた「2017年中米AI創投与趨勢研究報告」によると、すでに米国と中国で倒産したAI企業の数は50社を超える。中国メディアの報道によれば、大手インキュベータである創新工場の李開復董事長は、昨年12月に開いたイベントで、「(中国で)AI企業の資金調達が熱を帯び始めたのが17年上半期。調達資金は18か月ほどで使い果たされ、18年末に一定数の企業が倒産する」と指摘した。
(週刊BCN+ 真鍋 武)
ソース:https://www.weeklybcn.com/journal/news/detail/20180314_161321.html