具体的な数字は示されていなかったものの、工業手工芸省 (MIH)が先週発表した報告書には、国内の複数の工場で上向き傾向であることや、産業部門における雇用状況や輸出入向け製品の生産が増加傾向であることが説明されていた。
2012年にカンボジア国内で登録されていた工場の数は1108工場であったが、2017年には37%増の1522工場となった。なお2016年の工場数は1579工場と5年ぶりに減少しており、最盛期よりは少ない数となっている。
工場数におけるわずかな縮小傾向は、繊維工場からより大規模なプロジェクトに移行を促す政府政策の結果である可能性があるとMIHの産業関連局長Hort Pheng氏は言う。
「繊維工場の数は優に1000を超えており、需要はほとんど満たしているとも言えます。」「これからは、プロジェクトや運営の規模増大につながる可能性の高い産業である、技術工場への投資誘致に政策の焦点を当てるでしょう。」
国内工場数のおよそ3分の2である1031工場と、繊維工場の数は過去5年間で29%増加している。
残りの3分の1は食品・飲料品・タバコ工場117、化学ゴム・プラスチック工場104、製紙加工工場44と、様々な分野に及んでいる。
カンボジア国内の工場の昨年の生産高107.9億米ドルと、2013年と比較して70%増加している。
内70億ドル以上は輸出向け繊維産業の生産高であり、国内産業の生産高は26.2億ドルとなっている。
産業部門の安定的な成長は政府の商業・投資政策の改善の結果であるが、競争力をさらに高めるためには労働人口をさらに多様化させ、労働者のスキルを向上させる必要があるとカンボジア商工会議所のNguon Meng Tech所長は言う。
「たとえ政府の打ち出す政策が良いものであっても、新たな投資に応えるためには人的資源や技術者がまだまだ必要です。海外へ出稼ぎに出ている労働者にも、自国に戻って働くことを促す必要があります。」
報告書によると、カンボジア経済は繊維産業に長らく依存してきた。昨年の労働者数は84万7419人であり、産業部門の雇用人口である98万2203人の86%を占めると言う。
一つの産業に依存することにより、産業のショックや得恵貿易の廃止から大きな打撃を受ける可能性がある。カンボジアの主要輸出先はEUであるが、武器以外のすべて(EBA)協定に従い、民主的権利や人権の基準をクリアしていると言う条件の下、カンボジアに対して無関税アクセスを認めている。
最大野党に対する弾圧などを理由に、EUはEBA協定の撤回も含む、カンボジア政府に対する経済制裁の実行を検討しているとロイター及びフィナンシャルタイムズは先週報じている。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3275.html