フィリピンでは労働者を6ヶ月以上雇用を続ける場合、7ヶ月目からは正式に雇用しなければならない法律がある。
それを避けるために6ヶ月未満で解雇をし、期間を置いて同一人をまた雇用する労働者にとって不利、不安定な形態が、業種を問わず浸透し、これが労働者の意欲を無くし、生産性と効率の悪さを生んでいる。
ENDOの実態を知らない日系を含む外資系企業の人間が『フィリピン人は働かない』という誤った認識を抱かせる一因ともなっている。
フィリピンの労働雇用省によると2018年1月中旬までに12万人余を正規雇用化し、2018年中には30万人の労働者を正規雇用者にする目標を立てているが、労働組合などからは政府に都合の良い数字ばかりと批判され、政府が掴むENDOによる労働者数は実情からかなりかけ離れていると指摘されている。
一方、安価な労働者の確保が難しくなり経済に影響を及ぼすと企業団体は相次いで声明を出し、反発を深めている。
こういった企業の反発に対して、日本のように正規労働者が減少し、非正規雇用が多数を占めるようになると経済の減退が起きるとの指摘も出ている。
賛否両論の中、ドゥテルテ大統領の署名、発令は早ければ2月中に行われると見られ、各種言動や違法薬物政策で批判の高い同大統領も労働者側に対して点を稼ぐ結果となる。
こういった動きを受けて、労働雇用省は企業に対して雇用形態を改める勧告を発していて、昨年11月にはラグナ州で操業する日系企業2社に対してENDOを改めるように命じた。
このENDOは日系を含む外資企業がフィリピンに進出する時、都合の良い労働慣行として多く取り入れられていて、フィリピンを食い物にしているとの批判も高い。
この動きに対して、人材派遣会社から派遣するという形で企業は抜け道を作っていて、企業に求められる社会責任からあの手この手で逃れている例も多い。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&command=body&no=345&