2月初めにインスタグラムに、メルセデスベンツのモデルと一緒にインドに亡命中のチベット仏教最高指導者でノーベル平和賞受賞者のダライ・ラマ14世の言葉を引用して掲載したためで、ドイツのメディア報道によると、ダイムラーは6日に投稿を削除し、同日午後には中国版のツイッターと呼ばれる短文投稿サイトの微博(ウェイボ)に「心からの謝罪」を表明した。
さらに7日には、ディーター・ツェッチェ社長とフベルトゥス・トロスカ中国事業担当取締役が署名した謝罪の書簡を在独中国大使館に送付した。
ダイムラーはメディアの取材に対し、書簡を送った事実を認めたものの内容についての言及は控えた。中国の国営通信社である新華社によると、ダイムラーは、「中国の主権や領土の完全性に疑問を呈する意図はなかった」と説明したうえで、「中国の人々を傷つけた誤りを後悔している」と謝罪したもよう。
このようなダイムラーの平身低頭な対応について、ドイツの主要メディアからは、「敬意ではなく、不安とビジネスを重視する行為」(南ドイツ新聞)、「品位を落とす演出」(フランクフルターアルゲマイネ)など、巨大市場の中国を前に収益を気にして弱さを露呈した、といった内容の厳しい批判が集まっている。
ダイムラーのメルセデスベンツ・ブランドの乗用車の2017年の世界販売は、前年比9.9%増の228万9,344台と好調で、中でも同ブランドにとって最大市場の中国では、前年比25.9%増の58万7,868台を販売した。
ドイツの高級車ブランドであるメルセデスベンツ、BMW、アウディの3ブランドのいずれも中国が最大市場となっており、メルセデスとBMWは約4台に1台、アウディは約3台に1台を中国市場で販売している。
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