オンラインショッピングは多くの消費者、特にテトに必要な商品を満載に詰め込んだショッピングカートで混雑するスーパーのカウンターで、長時間を待つことができない忙しいオフィスワーカーに支持されている。
2月15日に始まるテト前夜に向け、国民はみな休日の準備のためにいくつか買い物を行うが、前年同期と比較してオンライン売上高は急増しており、オンライン広告会社のCriteo社によると、特にファッション分野で86%、食料品や雑貨分野で51%も増加しているという。
「旧正月までの期間、人々は新しい洋服やお祭りに必要なご馳走を買いだめるなど、特定分野での売上増加が見られます。」とCriteo社のAlban Villani東南アジア・香港・台湾統括部長は述べた。
「現在消費者は、特にモバイルアプリでのオンラインショッピングを嗜好しており、事業者は適切なプラットフォームに適切なタイミングでデジタル予算を集中して投下する必要があります。」
スーパーマーケットで買い物をする時間的余裕がない多くの人々、特にオフィスワーカーは、食品、飲料、衣料品や桃の花に至るまで、テトに必要なものが何でも揃うオンラインショッピングを選択する。
「私はeコマースサイトで花と果物を買いましたが、数時間もすると商品が届きました。」とハノイのHai Ba Trung 地区で事務員として働くNguyen Thu Ngaさん(30歳)は言った。「果物は新鮮で、素敵なラッピングがされていましたが、花はウェブサイトで見たほど良いものではなかったので、返品しました。」
「数回クリックするだけで、テトに必要なものはすべて手に入れることができ、非常に便利です。」と述べ、一方で何百人もの人々が混雑した店のカウンターで何時間も待っていたようだと続けた。多くの人々は支払いの順番が来るのを待つことができず、ショッピングカートから離れざるを得なかったという。
ベトナムでは、インターネットの利用とスマートフォンの所有が急増している上、大手小売業者が大規模な投資を実施してきたことにより、電子商取引が急速に拡大した。
ホーチミン市、ダナン、カントーだけで、2016年の小売市場におけるオンラインショッピングの浸透率は5.4%から8.8%に増加し、オンラインでの買い物は伝統的小売の3倍の価値となった、と市場調査会社のKantar Worldpanel社は最近のレポートで明らかにした。
巨大な成長可能性
他の新興市場同様、ベトナムは伝統的小売から電子商取引へ商流が移行しつつある。
ほとんどのオンライン客は代引きで購入し、中央銀行のデータによると、ベトナム国民約9500万人のうち、59%が銀行口座を保有しているという。
経済学者らによると、このことは長期的に電子商取引の発展を阻害し、特に高額商品購入の制約となるという。大半のベトナム人消費者はまた、実際に購入する前に製品を見ることを好む。
それでも中間所得層とスマートフォンユーザーの拡大を背景に、電子商取引分野の成長可能性は膨大である。
Nielsen Vietnam社の発行するSmartphone Insights Report 2017によると、全国の携帯電話所有者の中でスマートフォンを利用する人の割合は、2017年に84%にも達し、前年の78%から大幅に増加した。
Reutersは昨年、ベトナムには現在5200万以上のアクティブアカウントがあるとするソーシャルメディアのWe Are Social and Hootsuiteの発表を紹介した。これは、約9200万人のベトナム人口の半分以上がオンラインユーザーということを意味する。
「ベトナムの電子商取引市場の成長率は、日本の2.5倍となる約35%と推定されます。」とこの分野の専門家であるDuc Tam氏は、最近開催されたVietnam Online Business Forum 2017で述べた。
ベトナムのオンライン売上は近年急速に拡大し、国内小売市場の3.39%を占めるようになった。小売市場全体では、前年比10.9%増となる1732億7000万米ドルの売上となった。
世界銀行は、現在2000億米ドル規模のベトナム経済は2035年には1兆米ドルにも達すると予測している。一日15米ドル以上の消費を行う中産階級は現在11%に過ぎないが、そうなれば人口の半分以上が新たに中産階級に加わると予想されている。
ある推計によると、2020年には人口の約30%がインターネットを通じて商品やサービスを購入し、年間平均350米ドルを支出することになるという。
<DIGIMA NEWS 編集部の視点>
ベトナムのEコマース市場は、黎明期であり年々その規模は拡大傾向にある。2022年頃には、1兆円を超える市場規模になると考えられている。特にFacebookを通じた売買は盛んである。JETROの調査によると越境ECにおいては、日本企業が直接販売できるようなシステムは構築されていない。しかしながら日本製品は販売されており、電化製品、時計、化粧品が売れている。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3259.html