例えば、インフラや宿泊先の問題は深刻だ。急激な訪日客数の増加により、ホテルや旅館の価格が高騰している。受け入れ先の不足により、「民泊」サービスの需要なども高まっている。日本政府も今年の6月には、現在一部地域に限られている「民泊」を全国的に解禁する意向を示している。しかし、既に外国企業による「民泊」サービスが実質的に運用されており、訪日客増加の恩恵を得ている状況だ。
外国の業者による利益獲得は、「民泊」事業に限らない。不慣れな土地での移動を助けるようなガイド業者なども増えつつあるようだ。中には悪質な業者などもあり、日本観光そのもののイメージに害を与えるケースまで出てきている。
訪日客の増加は、日本企業にとってだけのビジネスチャンスではない。外国人の嗜好・習慣を知り尽くした外国企業が競合となることを忘れてはいけない。大きく広がるチャンスに対し、日本人として、日本の魅力を最大限に伝えるためのサービス・工夫が求められている。