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アフリカ市場を席巻するAirbnb

Airbnbは、2008年にカルフォルニアで会社を設立して以来、現在までに191カ国(65,000都市)でいわゆる”民泊ビジネス”を展開している。
アフリカ市場でも、Airbnbの存在感は目を見張るものがある。

まだ市場としては小さく、アフリカ全土でフランス1カ国とで同程度の規模ではあるが、サービス利用者、民泊登録者(Listing number)ともに5年連続で増加している。
さらなる顧客獲得に向けて、今後の同社の戦略はいかなるものなのか?
Airbnbの”次の一手”とは?

【人気があるのは、南アフリカ、モロッコ。ケニアやナイジェリアの伸びも無視できない】

まずは、2017年のアフリカ全体でのデータを整理したい。

ー アフリカ全体(2017年) ー
■利用者数(1年間):約120万人
(前年は約57万人。1年で約2倍に増加)

■民泊登録数(Active listing):10万件
(2016年は6万2千件。前年度比は約140%)

上記の数字からわかるように、利用者、そして宿泊を提供するホスト側ともに堅実に数字が伸びている。
特に最近5年で比べるとこの驚異的な増加率がよくわかる。
 

 
次に国レベルで登録者数で比較してみると、観光産業の規模に比例する形で拡大が続いている。
例えば、観光都市マラケシュを有し、ヨーロッパにほど近いモロッコ。沿岸部を中心に民泊登録者は21000件。
民泊登録数でいうとアフリカの中で一番多い。

民泊登録者の年間平均収益で見たときに、一番高いのが、南アフリカである。
17600件の民泊登録者を有し、経済規模は年間で5500万ドル(約60億円)。

その他の国では、ケニアおよびナイジェリアが伸びている。
特にナイジェリアでは、首都ラゴスを中心に民泊登録者数が急増しており、前年比で325%の驚愕の伸びを見せている。

【利用者の多くは、欧米出身。最近は、特に若者に根強い人気】

アフリカでのAirbnb利用者の出身を見たときに、一番多いのはヨーロッパで46%。次いで、北アフリカ出身が15%。

また注目すべきは利用者の年齢である。
若年層(18~35歳)の利用者が、5年前と比べて15%増加している点に注目したい。
背景にあるのは、一般的な観光地巡りに飽きてしまった若者の増加がある。
現地でしか味わえない”生の体験”を好む若者が増加している。

【ビジネス拡大のカギは、”宿泊”に止まらない”未知なる体験”の提供】

今後のアフリカにおけるAirbnbの展開のカギは”固有の体験”の提供にあるようだ。

宿泊+αの価値をいかにニーズを踏まえて提供できるのか。

例えば、先日訪れたモロッコを例にとると・・

・美味しいと評判のレストランの食事を3食食べるのではなく、そのうちの1食を、ホストと一緒に作ってみる
・陶器を作っている職人の工房へ行き、その場で、その日に出来たばかりの商品を購入する

など、いろいろな角度から、宿泊という機能を超えた新しい取り組みがなされていた。

旅行者で溢れかえるハイシーズン(夏場)における、従来の観光業界の代替サービスではなく、宿泊より”現地にいるからこそ”味わえる体験を提供できるかどうか。
ここに、Airbnbは”民泊ビジネス”の次の一手の打とうとしている。

※※※

パッケージ化された既存のサービスやモノを”購入”するのではなく、「ここにしかない」、そして、「”私だけの」といった”体験(利用)”の価値が高まっている昨今。
情報がネットに溢れかえっている現代だからこそ、その場所に行ったからこそ味わえる体験、そして、その体験に紐づいた感情をマネジメントすることが重要である。

「消費から、体験へ。」
アフリカのビジネスの現場にも、確実に、この潮流がきている。

参照:
アンドアフリカ合同会社 コーポレートサイト