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ベトナム・オンラインショッピング盛況の影で「配送」に課題

  
ベトナムではますます多くの消費者が、ブラック・フライデーのようなショッピング・イベントの際に店頭の混雑を避け、eコマースを選択するようになっている。
 
数年前にはオンラインショッピングサイトに注文が殺到し、多くの人々が購入した商品を受け取ることができないような事態が生じていた。
 
今年はそういった技術的課題が解消され、ほとんどのオンラインショッピングサイトでは、11月24~26日にかけてのブラック・フライデー期間においても円滑に運営された。
 
しかし顧客らは、商品の配送が予定納期よりもずっと遅れることについて、オンラインショッピングサイトに対して不満を募らせている。
 
場合によっては、購入後2週間も商品が届かないこともあったという。
 
 
遅配
 
ホーチミン市の食品会社で働くLuu Huynhさんは、11月にLazadaでWi-Fiのモデムを購入した際、その配送に5〜7日かかると言われた。
 
しかし2週間待っても届かないため、HuynhさんはLazadaのヘルプサービスに連絡したところ、「ウェブサイトに行き、注文状況を確認して下さい。」という自動返信メッセージを受け取った。
 
そこで注文状況を確認したものの、商品は物流会社の出荷倉庫に移されたと簡単に記載されているのみであった、とHuynhさんは問題点を指摘した。
 
Lazada VietnamのAlexandre Dardy CEOはHuynhさんの苦情に対し、配送サービスが貧弱であるため、販促キャンペーン期間中に注文に追いつかなかったと認めた。
  
Dardy CEOによると、11月24~26日のキャンペーン期間中、Lazadaでは150万点もの製品を販売し、昨年比で3倍の伸びを達成したという。
 
一方で彼は運送サービスの問題により、ブラック・フライデー期間中に受けた複数の注文が、キャンペーン終了2週間後にあってもなお届かなかったことを認めた。
 
多くのオンライン買い物客は、「注文数が多すぎるため処理が追いつかない」という理由で、オンラインショッピングサイトから配送遅延の通知を受け取ることを嘆いている。
 
システム処理のパンクにより、一部の顧客からは注文したものと違う商品が配送された、との苦情も出ている。
 
 
急成長に対して未熟なインフラ
  
ほとんどの主要なオンラインショッピングサイトでは、第三者の物流会社を利用して出荷と配送を行っており、これらのサービスレベル向上が頭痛の種となっている。
   
最近eコマース市場に参入したLotte Vietnamの代表者は、受注の80%以上についてパートナー企業に配送委託しているが、「ある一定の割合で納期遅れが発生している。」と述べた。
  
オンラインショッピングの専門家であるMinh Bui氏は、オンライン小売におけるこうした配送キャパシティオーバーの問題は、ベトナムのeコマース産業の成長と比較して、インフラがなおも未成熟であることを証明していると指摘した。
  
DHL eCommerce VietnamのThomas Harrisマネージングディレクターは、ベトナムのオンライン買い物客のほとんどが地元小売の出荷サービスに満足していない、との調査結果を示した。
   
ベトナムのオンライン買い物客の66%が、信頼できる会社に商品配送を任せるよう要求している、とHarris氏は続けた。
   
eコマースは今のところベトナムの小売市場全体の1%にすぎないが、オンラインショッピング産業は東南アジアで着実に成長している。
 
Kantar Worldpanel VietnamのDavid Anjoubault本部長は、ベトナムのeコマース市場は他国と比較してまだ規模が小さいものの、依然として強い可能性を秘めていると述べた。
  
日用消費財(FMCG)のオンライン売上は、2017年3月までの12ヵ月間でベトナム市場全体の0.5%を占め、前年と比較して69%という非常に強い伸びを示したと Anjoubault氏は述べ、11月21日に自社が出版したKantar Worldpanelから「FMCGにおけるeコマースの未来」というレポートを引用した。
   
「(このことは)ベトナムが世界で最もeコマースの成長が著しい国の一つであることを示しています。」と彼は言った。
  
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3173.html