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ベトナムで過熱する「ファストファッション・ブーム」の課題

  
繊維・アパレル産業の専門家は、ベトナムのアパレルメーカーはこの機会を活用し、世界で拡大するファストファッションのトレンドを掴み、突破口としなければならないと話す。
 
Zaraを熱狂的に迎えたのち、スウェーデンの格安衣料小売業者H&Mがホーチミン市に登場すると国内市場は再び熱狂した。近年ベトナムに進出した世界的ブランドは消費者の熱烈な歓迎を受けたが、国内メーカーへのプレッシャーは高まることとなった。
 
価格面では格安から中間寄りにあるZara、H&M、Topshopは若いベトナム人消費者には非常に魅力的である。ファストファッションとはハイファッションのデザインを廉価に衣料品やアクセサリーで再現し、巨大市場を有する小売業者が低価格で提供するビジネスモデルである。ファストファッションという言葉が示す通り、ファッションのトレンドは四季ごとではなく、週ごとに変遷する。
 
ホーチミン市で若者が何時間も行列して開店を待ったという事実は、外国製の廉価な製品に対する消費者の熱狂を示している。海外ファッションブランドの流入が相次ぐ中、ベトナム国内のメーカーは消費者を引き止める方策を考えなければならなくなった。
 
制服の製造に特化するSu Tu Vang社のDu Huu Thanh社長は、ファストファッションの流行は、新たなトレンドを市場により早く、より安価に届けるために生産プロセスが迅速化されたファッション産業の動きを反映していると話す。その結果、企業はデザイン、発注、納品にかかる時間の面で課題に直面するようになった。
 
国内企業は迅速なデザインの紹介で消費者の心を掴む海外ブランドのやり方を学んできた。国内企業は急速に変わりつつあるライフスタイルと消費者のファッションや衣類品への志向を把握できる多数の優秀なデザイナーを必要としている。
 
需要に対応し、海外ブランドと競争していくためには、国内企業は現代的な設備により多くの投資を行い、より多くの熟練労働者を集める必要がある。
 
ベトナム繊維協会(VITAS)のNguyen Thi Tuyet Mai副会長は、ベトナムへの外国ブランドの登場はプレッシャーをもたらしたが、生産、ビジネス面での変化のきっかけをももたらしたと話す。消費者にはより多くの選択肢がもたらされたこととなる。
 
国内企業は長年、海外直接投資企業による下請契約に慣れてきた。しかし、ファストファッションの時代に適応するためには、国内企業も自社の製品を作り出さなくてはならない。
 
繊維協会は世界での新たなトレンドに関する情報を提供し、企業を支援している。
 
シンガポールに本拠を置くアパレル産業向けテクノロジー企業ThreadSolのSaurav Ujjain東南アジア事業部長はベトナムのアパレル産業に同社の革新的な技術を紹介している。同社は最適な素材購入を可能にするintelloBuy、最適な裁断計画を作るintelloCutなどの製品で、メーカーの収入と利益の向上を支援している。intelloCutはメーカーの収入を平均30%改善し、毎年1000万米ドルの利益につなげているという。
 
Photo by Leif Harboe on Flickr
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3171.html