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EU特恵貿易撤回の可能性に対し、カンボジアの繊維メーカーが支援続行を呼びかけ

   
11月16日、独裁主義的なフンセン首相が率いる政府により最大与党のカンボジア救国党に解散命令が出されたことを受け、アメリカはカンボジアに対する選挙サポートを取りやめ、EUは貿易特恵見直しの可能性を示唆している。
  
繊維・縫製産業では年間60億米ドル生み出されており、カンボジア最大の輸出品目として成長の要となっている。
2016年の同国の輸出でEU諸国が占める割合は40%であり、アメリカが占める割合は20%である。中国が占める割合は6%強に過ぎない。
約70万人の労働者雇用を持つ600工場を代表するカンボジア縫製業協会(GMAC)は国外のバイヤーに対し、カンボジアの工場に対する支援を続行するよう呼び掛けた。
  
「全カンボジア国民の生活状態の改善という経済目標達成に向け、カンボジア、そして我々の工場会員を引き続き支援するようGMACは諸外国のすべてのバイヤーに対して訴えます。」という声明をGMACは発表した。
  
工場労働はカンボジアの「非常に多くの人々を貧困から救出した」とGMACは言う。
2018年の総選挙に向けて繊維労働者の支援を得たいフンセン氏は、もしEUが特恵貿易措置を撤回すれば苦しむのは労働者たちだと述べた。
長期に渡りフンセン氏を支持している中国はカンボジア国内のインフラ整備やその他の投資に金をつぎ込んでおり、西洋支援国のフンセン氏に対する批判を払いのけている。
  
しかしながら、輸出においてEUやアメリカが占める重要性が最終的には強い影響力を持つ。
グローバルブランドはサプライチェーンを厳しい監視の対象としている。
カンボジアにとって最大規模のバイヤーであるスウェーデンのH&MのInigo Saenz Maestre広報員は先月ロイターに向けて、「カンボジアの最近の展開を憂慮しています。」 と語った。
  
GMACのKaing Monika副会長によればカンボジアから撤退したバイヤーはなく、工場側も貿易特恵撤回の可能性については心配していないと言う。
「来年の新規受注を受けたばかりです。」とマレーシア資本の8 Star Sportswear Ltdの関係者は言う。
同工場ではGap Inc (GPS.N)やその他顧客向けの衣料品を生産している。
しかしながら、労働者たちはロイターに対し雇用保障に対する懸念の声を寄せている。
 
「影響を受けるのは労働者達だけです。」とプノンペンの工場労働者Dork Sovannさん(35)は述べた。
「私たちにとってのリスクは高いのです。」
 
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3159.html