フィリピン中部の中心、ヴィサヤ地方セブ州のマクタン・セブ国際空港では第2になる新ターミナルを建設中で、2018年6月に運用が始まる予定となっている。
同空港第1ターミナルの運営を請け負っている民間企業のGMR-メガワイド社は、このほどケータリング及び売店運営のイギリスに拠点を持つ世界的な大手企業SSPグループに両ターミナルのレストラン、売店の設計、開発、運営事業を委託する契約を結んだ。
同空港の運営が民間委託されてからは、乗客本位に改善され好評を得ているが『不味い、高い』と空港におけるレストラン事業は相変わらず不評で、SSPによる運営が改善につながるかは未知数。
また、セブ島隣りのボホール島には新国際空港が日本の政府開発援助(ODA)によって建設中で、開港は2018年度中に開港、運用の予定となっている。
同新国際空港は三菱商事と千代田化工建設が2000mの滑走路、延べ床面積8000平方メートルのターミナル・ビルなど約120億円で受注している。
首都圏ではマニラ国際空港が飽和状態に近づいているために、代替空港の構想が活発で、ルソン島中部パンパンガ州にあるかつてのアメリカ軍基地を転用したクラーク国際空港をマニラ国際空港の充実化が図られている。
これはマニラ国際空港を拡張する余地がないためで、12月5日には新ターミナル・ビル建設の競争入札が締め切られた。
同ターミナル・ビル建設事業費は125億ペソ(約280億円)となっていて、中国企業やフィリピンの企業連合体など7社が応札し、12月15日に落札企業が決まる。
このクラーク国際空港はマニラ首都圏とのアクセスが悪いために、クラーク-マニラ間の高速鉄道など鉄道路線事業も推進されている。
一方、マニラ国際空港再開発プロジェクトも持ち上がっていて、国内のアヤラなど有力財閥系企業など7社が加わって新空港建設のための協議が進められている。
この新空港再開発事業費は746億ペソ(約1660億円)と見積もられていて、事業費が巨額なために大連合によって政府側を説得するというが甘い蜜にたかっているとの批判もある。
それに対抗する形で、小売業最大手SMと、ビールで知られるサンミゲル社は今や大手複合企業体となり、両社は首都圏に隣接するカビテ州とブラカン州に新国際空港建設を提案しているが、最終的には政権に近い側に落ちると見られている。