中国の「一帯一路」、隣国がプロジェクト中止相次ぐ 高すぎる対価で警戒
パキスタンやネパール、ミャンマーがこのほど相次いで、中国企業との間で結ばれた総額200億ドル(約1兆2550億円)以上の大型水力発電プロジェクトを取り消し、中国主導の巨大経済圏構想「一帯一路」に大きな衝撃を与えた。米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が4日に伝えた。
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パキスタンは先月14日、インダス川上流のディアマーバシャダム(Diamer-Bhasha Dam)の建設に中国からの140億ドル(約1兆5755億円)の資金援助を拒否した。
同国水利電力省によると、中国側から既存のダムを担保に入れ、ディアマーバシャダムの所有権や運営、維持管理などは中国側に属するといった厳しい融資条件が出された。同省のムザミル・フセイン(Muzammil Hussein)主席はこの条件がパキスタンの国益を損なったとして、受け入れられないとコメントした。
ネパールは同13日、「財務規則違反」や「入札数や競合社の不足」を理由とし、中国企業と合意した25億ドル(約2813億円)規模の水力発電所建設計画を中止した。ネパール当局は同26日、発電量1200メガワットの同事業を国営ネパール電力公社(NEA)に委託した。
さらに、ミャンマーでは中国主導で建設する同国北部の水力発電用巨大ダムは、総事業費36億ドル(約4050億円)に達し、発電電力の9割を中国に輸出する計画だった。2009年に着工し、2011年に前政権が国民の批判を受けて建設を中断した。中国側は積極的に建設再開を求めているが、進展は見られなかった。
近隣諸国が大規模なインフラ建設事業を中止した理由はそれぞれだった。しかし、中国からヨーロッパまで結ぶこの巨大経済圏構想の参加国らは中国から大規模インフラ建設の支援を受けるには、極めて高い対価を支払わざるを得ない、ということに気づき始めた。
4日付き米ビジネス情報サイト「クオーツ(QUARTZ)」によると、北京大学HSBCビジネススクール(PHBS)の経済学教授クリストファー・バリング(Christopher Balding)氏は同紙の取材に対し「一帯一路に参加した国々は最初、中国の投資に非常に興奮していた。しかし、今は明らかに変化が生じた。スリランカやメキシコの建設事業において中国はどのように行動していたかを目にしたからだ」と話した。
スリランカ政府は2016年、債務軽減と引き換えに、中国にハンバントタ港の99年間の運営権を与えることで合意した。
また、中国は2015年、高速鉄道の建設契約が落札から数日後に取り消されたことで、メキシコ政府に6億ドル(約675億円)の損害賠償を求めた。
(翻訳編集・王君宜)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2017/12/29973.html
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