フィリピン航空、巨額の滞納金を支払う
フィリピンのフラッグ・キャリアーとなっているフィリピン航空(PAL)は、かつて倒産の危機に見舞われたが、実質オーナーの中国系経済人『ルシオ・タン』の政治力によって持ちこたえ、後発のセブ・パシフイック航空に年間搭乗者数を追い抜かれる事態に至っている。【写真はマニラ国際空港】
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このPALが1970年代から今年の7月まで長年に渡って空港使用料を払っていないのが発覚し、ドゥテルテ大統領から期限までに全額支払わなければ現在専用しているマニラ国際空港第2ターミナルの使用禁止を通告されていた。
期限は今年の12月までであったが、大統領の本気度に恐れをなしたPALは10月3日(金曜日)に滞納額全額約60億ペソ(約132億円)を支払い、ひとまずターミナル閉鎖の措置は免れた。
1970年代というとマルコス独裁政権の絶頂期で、この頃からPALと歴代政府が癒着し空港使用料が払われていなかった訳で、両者には贈収賄、利益供与の疑いが持たれているが『金さえ払えば全てチャラ』体質に染まった当局はこれで逃げ得となった。
こういった唖然とする企業の不法体質はフィリピンでは珍しくなく、最近でもタバコ製造大手の『マイティー』社が偽物の物品税証紙を貼って課税を逃れ、379億ペソ(約834億円)を脱税した事件があった。
このマイティー社は日本の日本たばこ産業(JT)の子会社が450億ペソ(約1000億円)に買収され、その買収金が罰金支払いに使われているが、こういった札付き企業を買収するJTの企業倫理を問題視する向きはあるが、日本国内ではニュースにもなっていない。
また、フィリピンの大手英字全国新聞である『インクアイラー』社の子会社である不動産会社がマカティ市にある政府用地を長年ただで使用していたのが発覚し、同土地の上に建つビルのテナントが追い出され、土地は競売にかかる事件もあった。
インクアイラー紙はドゥテルテ大統領に批判的な論陣を張り、この措置は同大統領の報復と騒いでいるが、大マスコミの威を借りて公共の土地を占有していたことは事実で企業としての責任は免れない。
今回の事件は大企業が政府当局と癒着して甘い汁を吸っている氷山の一角で、PALの滞納問題にしても空港管理当局、運輸省、税務当局の怠慢から生じたもので刑事訴追をするべきとの指摘もある。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=338
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