国内ソーシャルメディアでも話題に
発覚以降、カイ・シルクに批判を持つ者達は、同社が中国製品に紛らわしいラベルをつけることで、顧客を故意に騙していると申し立てている。1990年代後半の発売開始以降、カイ・シルクスカーフはベトナム人富裕層や外国人観光客に人気がある高級製品と位置付けられている。
カイ・シルク製品の中には、1点200万ベトナムドン(88米ドル)以上の価格で販売されているものもある。ブランドのオーナーであるHoang Khai氏は25日の遅くまで沈黙を保っていたが、「青年(Thanh Nien)」紙のインタビューで不正表示の疑惑が真実であることを認めた。
Khai氏はさらに、同社のシルクスカーフの少なくとも50%が中国製品であり、50%が国内で生産されていることも明かした。しかしながら、同社製品は全てベトナム製として広告・販売されている。
ラベルのすり替え
カイ・シルクの製品に2つのラベルがつけられているという話は、ベトナム人フェイスブックユーザーのDang Nhu Quynh氏によって10月23日に初めて報じられた。
Quynh氏によると、彼の兄弟がベトナムシルクのスカーフを60点、贈答品としてハンガイ通りにあるカイ・シルクのハノイ本店にて購入しようとしたという。 スカーフ一点あたりの値段は64万4000ベトナムドン(28米ドル)であった。
10月17日に商品が配送された際、購入者は商品の一つに「中国製」「ベトナム製」と2つのラベルがつけられていることを発見したという。「その他59点のスカーフでは「中国製」のラベルがぞんざいに取り除かれ、「ベトナム製」のラベルが付け加えられたことが明白でした。」とQuynh氏は書き記した。
購入者は本件を記録に残すことを希望し、後にカイ・シルク社に対し正式に苦情を訴えたという。Quynh氏の投稿詳細によると、同社の返答は、スカーフ60点は全て「シルク100%」で作られているというものであった。カイ・シルクハノイ店のTran Van Cuong店長は、60点の注文に対して店側では商品を59点しか確保することができず、「別口の顧客向けに発送予定の生産途中のスカーフをよく確かめることなく同梱した。」と説明している。
Cuong氏の説明によると、問題のスカーフは香港の顧客向けに配送予定の350商品の注文の一つであり、顧客の希望で「中国製」のラベルがつけられていたという。
Quynh氏はカイ・シルクの返答にコメントすることは避け、記事を読んだ人たちに判断を任せると投稿した。Quynh氏の投稿は拡散され、26日の朝までに「いいね」が1100つけられ、125回シェアされている。カイ・シルク社は同氏に投稿の削除を求めたが、同氏はその訴えを退けたと「青年(Thanh Nien)」紙に対し語った。
沈黙を破ったブランドオーナー
カイ・シルクの社長で不動産王でもあるHoang Khai氏は、同紙とのインタビューで、「当社の製品のポジショニングが不明確なことをお客様に謝りたい」と語った。
1990年代、ベトナムのシルク部門が下降気味になった際に、ベトナム製と見間違うような見事な製品を中国市場から仕入れることを余儀なくされたという。
Khai氏はそれが一般的なやり方であると確信していたと説明し、ZaraやH&Mなどのブランドも中国から製品を仕入れ、世界中の顧客に対し同社製品として販売していると訴えた。商品の品質が保証されてさえいれば、この方法は倫理に適っていると同氏は述べた。
そのため、カイ・シルクの店舗在庫の最大50%が依然として中国からの輸入製品であることをKhai氏は同紙に対し明かした。Khai氏は現在ホーチミン市に拠点を置いており、ハノイで別の事業者が運営を行っているカイ・シルクについては、彼には監督の責任がないという。カイ・シルク・グループは不動産やレストラン、貿易センターなどに事業を拡大しているため、シルク事業については注意を怠っていたと同氏は認めた。
また同氏は、この問題の根源として、店舗で中国製品とベトナム製品を分けていなかったことにもあるとした。
「中国製の商品を全てリコールし、ブランドを強化して製品管理のシステムを改善します。」「リコール後は、他の大手ブランドと同様に商品ごとにラベルをつけることをお約束します。」
この「二重ラベル」のスキャンダルがブランドの評判に大きな影響を与えていることを認識し、「支払わなければならない代償です。」とKhai氏は述べた。
「変われるよう努力し、お客様の信頼を取り戻します。」と同氏は語った。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3100.html