ABC放送の番組はキャンベラの女性、ローズさん(53)のケースを紹介しており、失業し、家賃が払えず、借金の返済もできなくなった。その上、ペットの犬を連れて借りられる安い賃貸は見つからず、車で寝泊まりするようになった。
Dr Andrea Sharamは、「ローズさんのケースは住宅難とホームレスに直面する中年女性の津波の一ケースであり、政府はもっと前から備えておくべきだった。解決策として考えられるのは、国防省官舎のように高齢女性専用の住宅や、あるいは古い事務棟を臨時の宿泊所に改造することなどかも知れない」と語っている。
ローズさんは、「失業者に部屋を貸してくれるところなどない。だから、家財道具だけは貸倉庫に預け、イヌとネコと一緒に自動車の中で暮らしている」と語っている。また、定住所がなければ仕事も見つからず、仕事がなければ部屋も借りられないために定住所ができないという悪循環がある。
ローズさんの場合には教会とローズさんの兄弟が借金の返済を立て替え、住むところも見つけてくれた。ローズさんは、「私の年齢の女性は人に助けを求めてはいけないという育て方をされてきた。助けてもらった時はもう何と言っていいか分からなかった」と語っている。仕事も見つかったが、来年2月で今の部屋は貸借期限が切れる。次の宿を見つけることはまた一苦労になる。
ペニー・リームハウスさんは、VIC州、ACT、NSW州と転々とし、クエンビヤンでようやく安い賃貸を見つけた。12年の経験から、45歳以上の独身女性の住宅問題と取り組むようになった。また、メルボルンのタシ・チョデンとドキュメンタリー「OWL: The Face of Homelessness」を制作し、ホームレスの現実を一般社会に知らせようとしており、また、解決策の提案も続けている。
Dr Sharamは、「この問題は人工的な問題であり、その気になりさえすれば解決できる問題」と語っている。
ソース:http://nichigopress.jp/ausnews/politics/151909/
(参照)Australia’s ‘tsunami’ of homeless older women something ‘we should have seen coming’