その活況は、今年に入って証券取引所に新規上場(以下「IPO」)を申請する企業数にも裏付けられている。
グローボ系ニュースサイト「G1」が10月20日づけで伝えたところによると、ブラジルでハンバーガーチェーンのバーガーキングを運営しているABKブラジル(以下「ABK」)がサンパウロ証券取引所にIPOの申請を行ったという。
ABKが証券管理委員会に提出した目論見書によると、IPOは増資による新株発行と旧株売出の組み合わせになるとのことだ。
新規上場の際にはABKの大株主、ヴィンチ・パートナーズ(以下「VP」)傘下のヴィンチ・キャピタル・パートナーズ・インベストメント(以下「VCPI」)、モンチジュイッキ・フンド・ヂ・インベスチメント・エン・パルチシパソィンス・ムウチエストラテージア(以下「モンチジュイッキ」)、サマーヴィル・インベストメンツ(以下「サマーヴィル」)が売出を行う。主幹事はバンコ・イタウー・BBA。
バーガーキング・ブラジルは2004年11月に第1号店を開き、現在は全国で628店舗(直営店492軒、フランチャイズ136軒)を展開している。バーガーキング曰く、ブラジルのハンバーガー業界2番手の規模で、市場占有率は31.6%に達するという。ちなみに2016年の営業利益は13億9300万レアル(約487億円)とのことだ。
バーガーキング・ブラジルは米国のバーガーキング・コーポレーション(以下「米国本社」)との協力関係のもと、VPからの出向者、ジウベルト・サヤゥン氏が経営にあたっている。米国本社は2010年9月、世界長者番付上位常連のブラジル人、ジョルジ・パウロ・レマン氏とカルロス・アウベルト・シクピーラ氏、マルセウ・テリス氏が出資する3Gキャピタルが買収した。2014年には少数株主としてシンガポールのテマセク・ホールディングスを迎えている。
ABKの大株主はVCPI(31.28%)、モンチジュイッキ(30.05%)、サマーヴィル(19.62%)、米国本社(13.61%)となっている。
ブラジルの株式市場では、今年に入ってすでに8社が新規上場を果たしており、IPOブームの様相を呈している。
すでに上場済みの企業はモヴィーダ、ヘルメス・パルヂーニ、アズウ航空、カルフール・ブラジル、ビオトスカーナ、IRBブラジル、オメガ・ジェラドーラ、カミウの8社で、合計137億レアル(約4795億円)相当の株式が市場に流入した。アウガール・テレコンとBRディストリブイドーラの年内上場も決まっている。
また、上場企業による資金調達も増え始めている。5月に市況悪化を理由に資金調達を見送っていた上場企業の家電販売大手、マガジーニ・ルイーザは市況の好転をうけて9月に新株発行と旧株売出を行った。これにより同社は市場から11億4400万レアル(約400億円)を調達した。
新株発行や旧株売出によって市場から得た資金の使途は企業の事業拡大に伴う設備投資がほとんどだ。各企業が今後のブラジルの景気回復、経済成長を前提に事業拡大シナリオを具体化させている様子がうかがえる。
(文/原田 侑、写真/Divulgação)
写真はバーガーキング・ブラジルのカショーホケンチ(ホットドッグ)
ソース:http://megabrasil.jp/20171022_37516/
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