これは同ホテルの所有者である『アヤラ・ランド』との20年契約が終了を迎えたためで、マリオット側は契約更新をせず、残された建物はアヤラ・ランドが所有し展開する『SEDA=セダ』ホテル・チェーンが営業をすることとなった。
セダ・ホテルはマニラ首都圏と近郊に計3軒、ミンダナオ島に2軒、パナイ島イロイロに1軒、ネグロス島バコロドに1軒を所有する中級ホテルだが、世界的なブランドであるマリオットの名前がセブ市から消えることに対して危惧の声も聞こえる。
マリオットはマクタン島リゾート地区に傘下に収めたシェラトン・ホテルを建設中で、マリオットのセブ市からの撤退はそれを見越しての動きとも見られている。
そのため、1997年に建物を建築以来、ホテルに付きものの改装工事などを行わず、顧客からはインテリアの古さと外装のみすぼらしさを指摘されていたが、契約満了を見越しての措置となったようだ。
同施設を引き継ぐセダは同施設を全面改装して、再開させるが、同ホテルが建つ至近距離に、旧日本海軍の神風特攻機が飛び発った飛行場跡をアヤラが開発したビジネス地域があり、現在そこにセダ・ホテルを建設中で同じようなホテルが2軒も出現することに、経営上の問題が出ないかの指摘もされている。
これについて、アヤラ側は新築ホテルはビジネス利用者、旧マリオット側は、ホテルの建つショッピング・モール客など観光客用として住分けられると楽観視している。
この見通しだが、モールに近いホテルはマリオットという有名ブランドであるから集客できたのであり、新興のセダでは集客は難しいのではとの見方もある。
いずれにせよ、セブ市からマリオット・グループ内では安価な位置付けではあっても、有名ブランド・ホテルが消えることはセブのイメージが下がることは間違いない。
なお、ホテル閉鎖に伴ってフィリピンの労働関係官庁は、マリオット側に対して雇用者の権利が守られるかどうか注視すると声明を出している。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&config=&command=body&no=432