企業の横暴で10年間止まっていたマニラ市内の鉄道建設、ようやく繋がる一駅分
マニラ首都圏は世界有数の過密都市で、人口は現在1300万人以上を抱えるが、公共の大量輸送設備は貧弱で、増え続ける車に対する施策も後手後手に回り、首都圏の交通渋滞は『地獄』の様相で、その経済損失はGDP(国民総生産)の足を引っ張るほどに至っている。
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そういった中、1984年にLRT(軽量高架型鉄道)1号線【写真】がバクララン駅ールーズベルト駅間(19.65キロ)に開通し、2号線が1号線に突き刺さる形で2003年、サントーラン駅ーレクト駅間(13.8キロ)に開通した。
しかし、1号線と2号線間の乗り換えは長い距離を歩く必要があり、利用客の不評が続いている。
また、3番目の路線として2003年にMRT線が開通し、現在この路線はタフトーノースアべェニュー間(16.8キロ)を繋いでいる。
運用総距離は短いのに運用会社が2つに分かれていて、これは歴代政権の利権の賜物で役職を2重に増やしただけと批判されている。
そのため、両社は利用者の利便など考えず、相互乗り入れなどはなからないバラバラな路線運営となっている。
特にLRT1号線とMRT路線は首都圏中心部を環状しているにも関わらず、LRTのルーズベルト駅とMRTのノースアヴェニュー駅の一駅分が繋がらず、環状線にならなかった。
また、それぞれの駅にはフィリピンのショッピング・モール業界を2分するスペイン系財閥のアヤラと、中国系のSM財閥がモールを構えていて、自社モールに近い有利になる場所に駅を作るよう歴代政権に要求したため、10年以上もたなざらし状態となっていた。
私企業の都合で駅の新設が左右されるというのもフィリピン的光景だが、ドゥテルテ政権になって両モール間に新駅を造ることで問題が決着し、9月29日起工式が行われた。
新駅の総面積は13700平方メートルで、総工費は28億ペソと見込まれ、完成は2020年を目指している。
また、ノースアベニュー駅からブラカン州サンホセデルモンテ市まで延伸するMRT新線(22.8キロ)も既に着工済みで、同線は2019年に完成見込み。
同様にフィリピン最初の地下鉄もノースアベニュー駅に連結される予定のため、同駅は1日の利用客が50万人近くなると予想され首都圏有数のターミナルになると見られている。
このように継ぎはぎだらけの交通政策であるが、2社の敷いたレール幅が1435mmと共通していて、相互乗り入れは可能になるが、システムの違いと、利用者そっちのけの両社の利権絡みもあり、すんなり運行されるかどうか不確定。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&config=&command=body&no=431
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