中国の地方債は、おもに地方政府の資金調達部門である融資プラットフォーム(LGFV)を通じて発行されている。同プラットフォームで集められた資金は、地方政府が主導するインフラ開発・建設プロジェクトに投じられる。
フィッチは、中国当局が最近デレバレッジ(債務削減)を進めており、国有銀行の貸出を制限したため、ジャトーバンキングが地方政府LGFVの資金調達先の一つになった、と指摘した。
海外専門家は、今後中国の過剰債務が招く一連のデフォルトは中国国内だけではなく、世界金融市場にも破壊的な影響を与えると危惧する。
中国では現在、LGFVのデフォルトが発生していないが、フィッチは「初となるデフォルトの可能性が高まっている」と強く警告した。
フィッチはまた、中国当局は一部市レベルの地方政府が発行するジャンク債券のデフォルトを黙認する可能性が高いとの見方を示した。特に地方政府と民間企業が共同運営する建設プロジェクトに関するLGFV債券のデフォルトが発生しやすいという。
世界3大格付け会社の一つのフィッチは、2013年4月に中国当局が発行する人民元建て長期国債の格付けを「ダブルAマイナス」から1段階引き下げ、「シングルAプラス」(最上位から5番目)にした。理由は「シャドーバンキングなど金融システムに関するリスクが高まっている」とした。
また他の2社、ムーディーズ・インベスターズ・サービスは今年5月、中国長期国債格付けを従来の「Aa3」から「A1」(シングルAプラスに相当)に1段階引き下げた。S&Pグローバル・レーティングスは9月21日に、同じく「シングルAプラス」に1段階引き下げたと発表したばかり。信用拡大による中国の経済・金融リスクが高まったことが格下げの主因だとした。
一方、フィッチは大規模なデフォルトの発生を防ぐために、中国当局が財政出動を含む様々な方法でLGFVを救済するが、逆にLGFV債務拡大につながるとの認識を示した。
同報道によると、2015年以降中国ではすでに4兆元(約67兆2000億円)規模のLGFV債券が発行された。中国国内総生産(GDP)の5.4%に相当する。
(翻訳編集・張哲)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2017/09/28517.html