そのプロジェクト数は35に上がり日本が関係するのは23プロジェクトとなっている。
これは日本の安倍政権が、インフラ建設に関係する企業の海外進出を援護し、国内景気の浮揚に結びつける思惑と巧妙に連動し、本来、日本国民の税金であるODA資金が政権と企業の延命に使われている不透明さに批判も強い。
特に国際協力機構(JICA)は日本政府の尖兵としてフィリピンのODA事業に邁進中で、大型プロジェクトに惜しみなくODA資金を注ぎ込んでいる。
これはJICAが従来日本政府系の銀行融資業務を引き継ぎ、独自でODA融資事業を出来るようになってから、大型プロジェクトが増えた。
JICAがフィリピンで関わっている大型プロジェクトではフィリピン最初の地下鉄路線に資金70億ドルを融資し、首都圏ケソン市から同タギッグ市経由でマニラ国際空港までの25キロを建設すると決定している。
その他、JICAはフィリピン国鉄(PNR)のクラーク飛行場―首都圏マロロスを結ぶ鉄道、工業団地の洪水防止、灌漑事業など大型でドゥテルテが優先順位を上位に置いているプロジェクトが目白押し。
このため、2017年上半期(1月~6月)のフィリピンへのODA有償資金額で日本は総額48億4千万ドル(約5400億円)に達し、これは同期のODA総額の44.83%を占め1位となった。
2位には世界銀行が29億4千8百万ドル(27.31%)、3位にはマニラに本部があり、歴代総裁は日本から出し、日本政府の意向が強く反映するアジア開発銀行(ADB)が21億7千4百万ドルと続き、JICA、ADBと日本のODAのフィリピンへの傾倒ぶりが浮かび上がっている。
これは日本のODA融資条件が長期据え置き、金利が年0.1%の低利、40年償還という好条件も加味しているが、借りる方としてはこの間の物価上昇を考えると、ただで借りて実質的に儲けているような状態となっている。
日本は昔から無償援助と較べて有償ODAの割合の高い国として知られているが、今回の数字を見るとその姿勢は改まるどころか、増進していているのが分かる。
なお、フィリピン国家経済開発庁(NEDA)によると、2017年上半期のフィリピンの借款額は約108億ドルに達し、内訳は54プロジェクト約82億ドル、他7プログラムの26億ドルとなった。
次年度2018年のフィリピンの国家予算が約670億ドルという規模の中、NEDA発表の借金額、多いのか少ないのか。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=335