1984年からフィリピン厚生省(DOH)が毎月公表している統計でも、過去最高を更新する状態で、DOHは『危機的状況』と警告を発している。
UNAIDSによるとHIV感染者の多い地域は東南アフリカ、西部・中央アフリカに次いでアジア太平洋地域となっているが、それら地域全体の感染者数は減少傾向となり、2010年~2016年の7年間で13%減少した。
ところがフィリピンは同時期に140%も激増し、他の国と較べて国内の対策が進んでいないことが明らかになった。
DOHによると2016年のフィリピン人新規感染者数は8151人に上り、その感染経路は97.8%が性交渉であることが分かっている。
また、その80%以上が男性同士による性交渉感染となっている。
このため、DOHではエイズ感染を防ぐために効果のある『コンドーム』使用を呼びかけている。
しかしながら、15歳~24歳の若年層で『エイズ感染はコンドーム使用で防ぐことが可能』と知っているのは15%に過ぎず、フィリピン国内の教育現場における『性教育』の遅れ、未熟を指摘、批判する声も強い。
このためDOHは昨年末に学校でコンドームを配布する計画を打ち出したが、教育関係者、教会などが猛反発して計画は止まっている。
特にフィリピンは離婚を認めないカトリック国としては世界で唯一取り残されているほど教会は頑迷固陋なため、教育現場にあける性教育そのものが満足に遂行されていない。
このため、若くして未婚で母親になる者が続出し、フィリピンの水商売に関わる女性の半分は『未婚のシングル・マザー』という話もある。
違法薬物関与者抹殺に血眼を上げるドゥテルテ大統領が、フィリピン国内のエイズ感染の危機的状況にもっと目を向けてくれたらと医療、保健関係者のため息が漏れてくるが、無策状態は続き、エイズ感染者は待ったなしで激増している。
【写真は国際エイズ・ディーのシンボル】
>>あわせて読みたい 『【警告】HIV(エイズ)感染 アジアで最悪のフィリピン』
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news03&config=&command=body&no=430