平成29年8月9日、ナモン郡病院において本計画の引渡し式典が行われ、在タイ日本国大使館 より三宅浩史公使参事官、被供与団体であるナモン郡病院のパポーン・ディーチャイセット院長、ソンクラ県保健局のアヌラック・サーラパープ副局長の他、関係者らが出席しました。
本計画の支援対象となるナモン郡病院はタイ南部ソンクラ県において1995年に設立された公立病院です。同病院が対象としているのはナモン郡の4地区29村で、人口が23,577人の地域です。現在、同病院では救急車を2台所有しており、救急搬送や公的行事の待機等のために、1日平均5回救急車が出動しています。また、手術の受入れ可能な医療機関はナモン郡に隣接する2つの郡の中心地にあり、患者の状態によっては片道約25kmの病院まで搬送しなければならないため、救急車を広域に渡って出動させている状況にあります。
しかしながら、同病院の所有する救急車2台のうち、1台は老朽化による故障から修理を繰り返しており、2台同時に出動出来ない事例が発生するなど、緊急時の対応力に問題があり、また、故障の問題を抱える車輌を出動させる危険性も不安視され、救急車の整備による救急搬送体制の改善が喫緊の課題となっていました。
このような現状を受けて、日本政府は救急車1台を整備することにより、同地の医療環境が改善され、はじめて住民が安心・安全の生活を送ることが出来ると判断し、草の根・人間の安全保障無償資金協力による支援をしました。今回の支援で、ナモン郡および周辺地域の救急搬送体制の確保と医療サービスの向上が図られ、救援・救護活動の更なる拡大が期待されます。
日本政府は今後も、人間の安全保障のための取り組みを支援していきます。
ソース:https://goo.gl/zN6tQK