双方は、市民や経済への影響が懸念される通行制限を実施しない方法を検討する方向で一致しており、今回の会議では8月2日に設立を発表した都市の環境負荷軽減を支援する基金に、連邦政府が5億ユーロを追加出資することが決まった。また、メルケル首相は、10月末あるいは11月初めに再度、自治体との対策会議を開く方針を表明した。
8月2日にベルリンで開催された「ナショナル・フォーラム・ディーゼル」では、連邦政府、州政府、自動車メーカー、業界団体などが出席し、ディーゼル乗用車の排ガスに含まれる有害物質の削減対策について協議し、自動車メーカーが排ガス制御ソフトを無償で改修(アップデート)するほか、5億ユーロを予算とする「都市のための持続可能なモビリティ」を目的とした基金を創設することでも合意した。
5億ユーロの予算は、連邦政府と自動車メーカーがそれぞれ2億5,000万ユーロを負担する。今回の会議では、連邦政府がさらに、現行の政府予算から5億ユーロを追加投入し、基金の規模を総額10億ユーロに引き上げることが決まった。また、当該基金の分配や各自治体のプロジェクトに助言する役割を担う調整部署を、連邦政府、州政府、自治体の代表により設置する。
ドイツおよび欧州では、大気におけるNOxの上限値が年間平均値で1立方メートルあたり40マイクログラムに設定されている。一過性の超過が認められている上限値は1時間あたり200ミクログラムで、超過許容回数は年18回までとなっている。
連邦政府によると、年間平均値の40マイクログラムを超える自治体は国内に80以上あり、これらの自治体が基金の助成対象となる。
各自治体はそれぞれの事情に応じて、例えば、電気自動車の普及促進や充電インフラの整備、公共交通機関の利用促進などのプロジェクトに助成金を活用する。
今回の会議には、窒素酸化物(NOx)による大気汚染問題が特に深刻化している約30都市の市長、自治体連盟の代表のほか、連邦政府からはメルケル首相、ガブリエル副首相、ドブリント交通相、ヘンドリクス環境相、ツィプリース経済相、ショイブレ財務相が出席。バーデン・ヴュルテンベルク、バイエルン、ベルリン、ハンブルク、ヘッセン、ニーダーザクセン、ノルトライン・ヴェストファーレン、ラインラント・プファルツ、ザクセンの州政府代表も出席した。
ソース:http://fbc.de/auto/ai15580/
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