5月26日、首都圏ヴァレンスエラ市の倉庫内で発見、押収された覚醒剤は64億ペソ(約140億円)となり、この覚醒剤密輸に関して大統領の長男(パウロ)【写真】と娘の夫(マナセス)の関与が取り沙汰されている。
また、実業家のマナセスに関してはダヴァオ港での商品密輸が持ち上がっていて、ドゥテルテの名前を圧力にした常習的な密輸業者ではないかとの指摘も出ている。
ダヴァオ市は現在長女(サラ)が市長、長男が副市長を務め、ドゥテルテ王国は健在だが、権力の座に就く有力者とその一族による犯罪行為というのはフィリピンには枚挙が暇なく、悪しき伝統とまでいわれている。
今回のドゥテルテ一族の違法薬物関与疑惑は、大統領の足元から火の手が上がったため、議会を通じて解明が進められているが、特に上院ではトリリャネス上院議員が反ドゥテルテの急先鋒になって、汚職行為などを調査する『上院ブルーリボン委員会』を舞台に論陣を張っている。
9月7日、パウロとマナセスの両名は同委員会で証言を求められたが、いずれも全ての疑惑について否定した。
疑惑は大量の覚醒剤を中国から密輸された時、関税局側に圧力をかけて巨額な賄賂を受けとっていたとされるが、両名とも事実無根と述べた。
しかしながら委員会ではパウロが密売組織の人間と一緒に写っている写真が暴露されて、完全否定証言の信ぴょう性に疑問符が付けられている。
今回の事件では関税局の最高幹部である局長が辞任する騒ぎになり、同委員会で9月11日に事件についての証言を求められていたが、出席を拒否したために同委員会から身柄を拘束された。
同前局長は今回の違法薬物密輸事件の重要な人物として、就任時に1億ペソ(約2億2千万円)の賄賂を密売組織から受け取ったと、別の上院議員から指摘されていて今回の証言拒否、身柄拘束によって疑惑は深まるばかり。
今回の違法薬物疑惑に関して、ダヴァオ市においての違法薬物は有力者が完全に掌握し、安定供給されているとの話もあり、同市副市長やその義弟など有力者が関わっているとの報道も根強い。
大統領にはドイツ系の別居中の妻との間には2男1女の子どもがあり、長男がパウロ、長女がサラになる。
また、長年の愛人が存在し13歳の娘が間にあり、この娘は昨年の大統領宣誓式に本妻の子ども達と一緒に出席していて、フィリピンは日本のように愛人だ、不倫だと騒ぐような国でないことが分かる。
ドゥテルテにとって『灯台足元暗し』の今回の事件であり、次期大統領選(2022)年に名前の挙がっているダヴァオ市長サラにとっても難しい事態発展だが、この騒ぎに関して大統領の直接の発言はまだない。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news01&config=&command=body&no=423
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