フィリピン最初の地下鉄建設 日本のODAが丸抱え
膨張するマニラ首都圏の交通事情は世界最悪クラスと不評だが、その一助となる地下鉄建設計画が具体化してきた。
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フィリピン最初の地下鉄となる路線は、首都圏ケソン市と同タギッグ市【写真】間を結ぶ全長25キロとなっているが、国家経済開発庁(NEDA)は、このほどこの路線をマニラ国際空港まで乗り入れ、延伸することを決定した。
このため、当初見積もられていた建設事業費は44億ドル(約4840億円)から70億ドル(約7700億円)に膨れ上がった。
建設資金が日本のODA、即ち税金からまかなわれるため、このような大盤振る舞いの計画となった。
この事業は日本の国際開発機構(JICA)が計画段階から関与し、融資も15年間の返済猶予期間の後、20年返済、年1%という低利で物価上昇を加味すればゼロで金を預けるような具合だが、これもJICAによって行われる。
NEDAはプロジェクト完了は当初2024年となっているが、ドゥテルテ大統領の任期の終わる2022年までに完成させて、同大統領の実績にしたい考えとしている。
しかし、今回の延伸によってその計画が無理であることが露呈し、部分開通して大統領に花を持たせる計画が既に囁かれている。
この大型インフラ事業は同大統領がぶち上げているインフラ投資による景気浮揚の一環であるが、例えば大統領の地盤であるミンダナオ島縦貫鉄道など、その経済性など疑問視されているものが多く、在任中の記念のためではないかとの批判もある。
また、地下鉄建設を巡っては、この11月に日本の首相がフィリピンを訪れて調印する予定で、やはり同首相の進める実効性不明な経済政策の実績作りではないかと見られている。
同地下鉄計画では日本の地下鉄建設で実績を持つゼネコンや商社がJICAの案件として関わっていて、建設そのものが日本企業救済のためとの従来からの批判もあり、JICAの在り方自体にも批判が向かっている。
今回、マニラ国際空港へ地下鉄が延伸される計画は、有効な移動交通媒体のない同空港を利用する乗客には朗報であるが、第1から第4まで分散して無計画に造られた各ターミナルのどこに地下鉄が入るのか行方が注目される。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=334
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