中国版LINEの微信(WeChat)公式アカウント「房屋屋」の不動産市場分析記事は3日、国内経済金融情報サイト「新浪財経」などのメディに相次ぎ転載された。
同記事は、2008年世界金融危機から、各地方政府が一連の不動産価格抑制政策を打ち出された今年までの約10年間の統計に基づき、35の大中都市の住宅価格上昇幅ランキングを作成した。
それによると、大都市の中で上海市の上昇幅が最も高く、10年間で610%と急騰した。中型都市のアモイは559%と上昇した。
また、南京市は353%、重慶市は266%、天津市は211%とそれぞれ大幅に上昇。これらの都市は、人口規模や域内総生産規模などが上海、北京、広州、深センの4大都市に次ぎ、「新大都市」と呼ばれている。
中国当局が過去数回の不動産バブル抑制政策は、目下のバブルの過熱を沈静化するためであり、土地財政に依存している以上、本気で住宅価格を下げるはずがないと専門家は見ている。
国内経済専門家や不動産開発企業の元会長らはすでに、当局の抑制策が厳重になっても、住宅価格が依然に上昇し続けると指摘した。不動産開発企業も同様に見込んでいる。当局の発表では、抑制政策で不動産価格が下がっていても、企業は積極的に土地を入手しようとしている。今年1~7月まで当局の「土地使用権譲渡収入」が前年同期比37.3%増となっている。
中国国内インターネット上では、当局の狙いを批判する声が高まった。
「当局は住宅価格を下落させたくない。われわれはもう何年も騙されてきた」「当局は全国各地で土地を売って、不動産市場で投機を主導してきた。しかも、紙幣を大量に印刷して(銀行が)貸出している。だから、住宅価格が暴騰しないはずがないんだ」「当局が高価格で人民を徹底的に苦しめいようとしている。これはまさに共産党の目的だ」。
一方、「房屋屋」の分析記事について、一部のネットユーザーは上海の住宅価格は十年間で6倍ではなく、実際に10倍高騰したと指摘した。
英紙・フィナンシャルタイムズは今年4月の報道で、厳しい抑制策が実施される一方で、中国不動産市場は今後も上昇基調が続くとの認識を示した。同紙は、不動産市場規模が約300兆元(約4920兆円)と推測し、中国当局が価格の急落で計り知れない経済的打撃を極力回避したいだろうと分析した。
(翻訳編集・張哲)
ソース:http://www.epochtimes.jp/2017/09/28305.html