ベトナムへの投資強化
最近の「投資」紙とのインタビューにおいてイオン・ベトナム社の西峠泰男社長は、ベトナムの小売部門には大きな成長の可能性があるため、この国においてさらに事業を拡大していく必要があると述べた。
2017年初めにイオングループは、観光開発、不動産投資、農業、商業サービスを含む3つの主要ビジネス領域に特化した複合企業であるベトナムのBIMグループと、ハノイのHadong地区にイオンモールを開発するための業務提携契約書にサインし、ホーチミン市にも進出するこの日本の小売業者にとって、ベトナムで5店舗目となるショッピングモールの建設を進めることとした。
「2025年までに20のショッピングモールを開業するという予定が遅延し、これまで4店しか開店できなかったのは、最適な事業用地が見つからなかったためです。」と西峠社長は述べた。
西峠社長は、イオンでは来期以降の投資計画を加速させる予定であると続けた。具体的にこのグループでは、毎年2つの新しいショッピングモールを開業する予定とした。短期的にはハノイ、ホーチミン市、ダナンなどの大都市に注力し、その後他の地方都市への投資も計画する。
ホーチミン市において、イオン社は10ヘクタールの土地に3店舗目となるショッピングモールを建設することを計画している。契約は交渉中であるため西峠社長は正確な立地を明らかにしなかったが、第8区、第12区、またはThu Ducのような郊外に着目しており、第3のショッピングモールはこうした地域のどこかに開店される可能性があるという。
2017年6月には日本の小売大手セブン&アイ・ホールディングス社が、ホーチミン市に第1号店となるセブンイレブンを開店し、ベトナム市場に参入した。同社では2017年中にセブンイレブンブランドのコンビニエンスストアを20店舗、その後3年間に100店舗をオープンする予定としている。 セブンイレブンの参入によって、早くもベトナムのコンビニエンスストア間では競争が激化している。
今年フランスのGroupe Auchan社は、スーパーマーケットを開業するためにドンナイ省の市場を調査した。幾度かの調査の末Auchan社は、Bien Hoaに地元のクリーンな食品に特化した1500平方メートル規模のスーパーマーケットを建設する計画を明らかにした。
Auchan社は2015年にベトナム市場に参入し、現在ホーチミン、ハノイ、タイニン省に13のAuchanスーパーマーケットを展開しており、平均売場面積は1500平方メートルとなっている。
地元企業とのパートナーシップ
ベトナムへの外資参入の波の他に、地元企業との連携によってベトナムにおける影響力を強化している外資系小売の新たな流れも見られる。例えばイオン社は、地元スーパーマーケットのCitimartとFivimartの株式持分を継続的に増加させている。
これによりイオン社は、TopValuブランドの製品を供給し、各社における商品とサプライチェーンの開発に協力している。
ベトナムで店舗を拡大するだけでなく、外資系小売業者はベトナム製品を海外のスーパーマーケットや店舗で販売することも目指している。
この傾向について、Aeon Topvalu Vietnam社の塩谷雄一郎代表は、イオン・ベトナムはアセアン地域で最も高い成長率を達成したことから、イオンの主要な投資先と見なされていると述べた。
現在イオングループは、アジアに1万4000以上の店舗があり、うち1万1000店舗が日本に、2,000店舗以上がその他アセアン諸国にある。
「ベトナム製品はまずアセアン諸国のイオン店舗に、そしてその後は日本に持ち込まれることになるでしょう」と塩谷氏は述べた。
2017年初めに韓国のLotteグループは、ベトナムにおける小売事業を強化する目的で、Ciputra Hanoi Mallを買収するための必要な手続きを完了させた。Lotteはこのプロジェクトに3億米ドルを投じ、2017年第2四半期に建設を開始する予定としているが、それ以外の情報はまだ公表していない。
Ciputra Hanoi Mallは2007年に建設される予定であったが、Lotteに買収される以前は放置されていた。今回の投資はハノイにおける最初で最大規模の外資系不動産プロジェクトとされ、総投資額は20億米ドルを超えるものとなっている。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_3004.html