日本の自衛隊、着々とフィリピンに軍事援助
戦前回帰を進める日本政府だが、日本国民の知らない間に憲法9条をないがしろにするフィリピンへの武器供与が次々と続いている。
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2017年5月に日本政府は自衛隊の装備を無償で供与できるように法律を改変したが、これは従来の法律では国有財産は無償もしくは実勢価格より安く譲渡できない規定があるためで、自衛隊の装備を海外に売り込む場合の足枷になっていた。
法律改変のきっかけとなったのは、南シナ海における中国の軍事的進出に対抗して、フィリピン海軍に対して昨年9月、海上自衛隊の練習機『TC-90』5機を無償貸与という名の援助ができなかったためとされている。
このため、TC-90型機は有償による貸与という形をとって2機をフィリピン側に貸与、その後法律改変をして残る3機を無償貸与できるようにした。
また、法律改変後の最初の案件として日本政府は、陸上自衛隊で運用しているヘリコプター『UH-1』【写真】の部品約4万点をフィリピン側に無償供与する方向で調整に入った。
UH-1は1956年に開発され、ヴェトナム戦争時にアメリカ軍の主力ヘリコプターであった歴史を持ち、今も各国軍隊では運用中で生産機数は1万6000機以上。
しかしながら、陸上自衛隊ではUH-1を1973年に導入、配備を始めて2012年には全て退役していて残った補修部品の使い道としてフィリピンに無償供与する手を考え付いた。
これは、無償供与を突破口として日本の軍需関連会社の海外への販路拡大と、南シナ海の軍事脅威を煽る日本政府の思惑が合致したためと見られている。
自衛隊の中古装備品ではこの他に、哨戒偵察機『P-3C』をフィリピン、マレイシア、ヴェトナムへ無償供与という形で打診が行われているが、根は日本の軍需産業の武器輸出に繋がっていると指摘されている。
一方、フィリピン側だが、中古でも新品でも何でももらえる物は国を問わずOKで、ドゥテルテ政権になって中国は14億円相当の武器を無償援助し、武器調達のために500億円の融資を提案している。
また、アメリカやオーストラリアなども無償で飛行機や軍需品を援助していて、日本政府のフィリピンへの軍事援助はこれに追随する動きとなっているが、これらの動きに対して日本国内での批判は弱く、敗戦後72年を経て『平和』への願いが空虚となっている実情をさらけ出している。
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