「私たちは2013年以降、最低賃金を5600ミャンマー・チャット(約450円)とするよう求めていますが、政府が最低賃金として認めたのは3600ミャンマー・チャット(約290円)だけです。これでは生活費をまかないきれません。」抗議デモの主催者でありミャンマー労働組合ネットワークの委員でもあるMa Hla Hla氏はMyanmar Times紙に対し語った。
また同氏によると、労働省は法律に基づいて2年に1度見直しを行い、新しい日額最低賃金を設定しないといけないにもかかわらず、今までこれを怠っていたという。
「新しい最低賃金は2018年に制定される予定です。これは法律で定められた2年以上を経過しています。従って、労働省自体が最低賃金法に違反しているのです。」とMa Hla Hla氏は述べた。
違法に解雇された労働者たちは、仲裁評議会の命令があったにもかかわらず再雇用されることがなかった。雇用者たちは代わりとして、法令違反の罰金を支払っただけであったという。
「そのため我々は、仲裁評議会の命令違反に対し、違反雇用者の懲役も含めた罰則を制定して欲しいのです。」とMa Hla Hla氏は述べた。
衣料品工場労働者のMa Thin Thinさんは、工場近くで借りている部屋の賃料がすでに毎月6万ミャンマー・チャットであり、現在の最低賃金3600 ミャンマー・チャットでは十分ではないと述べた。
労働者や地元住民によると、ラインタヤ郡区には賃貸向けの部屋がたくさんあるが、風呂無しの9平方フィートの部屋で5万〜9万ミャンマー・チャットの賃料を労働者たちは支払わなければならないという。
「ミャンマーの賃金は他のアジア諸国と比較しても圧倒的に低くなっています。例え賃金が5600ミャンマー・チャットに引き上げられたとしても、依然として近隣諸国の賃金よりも低いのです。ミャンマー政府は我々の要求する5600ミャンマー・チャットを認めるべきです。」88 Generation Peace and Open Societyの労働権利活動家であるMa Thet Htet Aung氏は述べた。
また同氏によると、当節のミャンマーの賃金がとても低いため、若者たちは諸外国での労働を選択しているという。政治シンクタンクによれば、ミャンマーは人的資源を失い続けているという。
「政府の最低賃金委員会の現在のプロセスに満足していません。地域委員会ですら現時点までに見直しを始めていません。プロセスが遅れているのです。」ミャンマーインフラ・手工芸・サービス労働組織の副委員長であり、政府の最低賃金委員会の労働者代表でもあるKo Naw Aung氏は述べた。
早ければ2013年には5600ミャンマー・チャットを最低賃金と定めて労働者側が要求していたにもかかわらず、ミャンマー政府は2015年9月に3600ミャンマー・チャットを日額最低賃金として定めていた。
しかしながら、現在までに日額最低賃金の3600ミャンマー・チャットすら労働者たちに支払わない雇用者も多くいる。労働者や労働権利グループによると、研修期間の3ヶ月間の日額最低賃金を1700ミャンマー・チャットとし、その後3ヶ月間を試用期間として2600ミャンマー・チャット支払う雇用者が多くいるという。
ソース:http://apparelresource.asia/news/item_2992.html