ドゥテルテ氏、対立するメディア系列の不動産会社をテナントから締め出す
首都圏マカティ市の繁華な場所にある2.9ヘクタール(約8800坪)の土地を賃貸している不動産会社に対してマカティ裁判所は8月15日、明け渡しを求める判決を出した。
これによって同敷地内に建つビル【写真】に入居しているテナントは、3日以内に同ビルから退去せざるを得なく、突然の決定に対して怒りが渦巻いている。
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この土地は政府所有の土地で『Sunvar』という不動産会社が1982年から借りていたが、2002年末に契約期間が切れても同社が占有する状態が続いていた。
Sunvar社はフィリピンの長者番付に載る『ルフィノ一族』の傘下にある不動産会社で、同一族は多方面に事業を展開していて、中でもフィリピンの英字新聞最大手の『インクワイアラー』を所有、経営していることで知られる。
同紙はドゥテルテ大統領が進める違法薬物容疑者に対する超法規殺人に批判的で、大統領の眼の上のたんこぶ的存在であった。
しかし、あからさまなマスコミ批判は、アメリカのトランプ同様反発が強いために、同一族に以前から囁かれている税金問題や、今回の政府土地契約問題などの搦め手で攻勢に出た。
今回の裁判所決定によって、明け渡しを迫られているビルのテナントには日本人経営のバーや飲食店、カラオケなど日系の店があり、フィリピン流のやり方に憤慨しながらも指定された退去期限までに店内の什器、家具を運び出している。
同ビル内に入るホテルはこの経緯に、『インクワイアラーと大統領の対立によってテナントは甚大な被害を被ったので、テナントは力を併せて闘おう』と大きな横断幕を掲げたが、はかない抵抗に終わっている。
今回の流れについて『国有財産が一私企業に契約が切れても長い間、政府側に不問にされていたことと、親会社が新聞という公器を持っていたための双方による癒着、不法行為』と識者からは批判されている。
なお、政府側は明け渡された土地は競売にかけてその代金を基に国軍兵士用の住宅を造ると早々と発表。
浮かばれないのは追い出されたテナントとそこで働く従業員達で、こういった摩訶不思議な例はフィリピンには多いが、日本も首相の知人に対して便宜を図ったのでないかといくつも疑惑が起きているように、顔で動くのは万国共通。
ソース:http://www.ph-inside.com/news/board.php?board=news02&config=&command=body&no=332
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