TVグローボが7月16日、農業情報番組「グローボ・フラウ」で伝えたところによると、南部の穀倉地帯を有するリオ・グランヂ・ド・スウ州(以下「RS州」)で雨のため、小麦の作付が進んでいないとのことだ。
大雨による土壌の浸食で蒔いた種が流されるため、農家は作付面積を減らさざるを得ない状態だという。
今年の作付面積減少で、この穀倉地帯の主要産物である小麦の減産は避けられない状況だ。
長年穀倉地帯としてブラジルの食卓を支えてきたRS州だが、小麦の作付面積は州全体で減少傾向にある。2014年の118万ヘクタールから2015年の88万2000ヘクタール、2016年の76万6000ヘクタール、そして2017年の72万9000ヘクタールと減少している。過去2年間だけでも約5%の減少だ。
そして生産高では2014年との比較で、直近の収穫高はマイナス40%となっている。
「小麦は生産者にとって利益率が低い作物なのです。農家にとってはモチベーションが少ないと言えます」(農業技術研究者、ラリッサ・ヘイスさん)
RS州北西部の農家、ダニエウ・ジョビンさんの農場での小麦の作付面積は今年と去年で変わらないという。しかしながら小麦の生産はいつも賭けだという。
「昨年のように天候が良ければ豊作ですが、価格は下がります。天候があまりよくないと需給がひっ迫して正当な価格が付きます」(ダニエウさん)
現在の小麦の取引価格は昨年と比べて18%下がっているという。
世界的なグルテンフリー食品市場の拡大の中、豊作でも不作でも、生産者にとって小麦は、かつてのように安定的に収入を得られる作物ではなくなりつつあるのかもしれない。
(文/原田 侑、写真/Reprodução/「Globo Rural」/TV Globo)
写真はTVグローボ「グローボ・フラウ」よりリオグランジドスウ州の農場。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで
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ソース:http://megabrasil.jp/20170727_36873/